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2022年7月11日

続編;今月の"ひらかわ的眼差し"-2/"アートの動き"から読み解く眼差し。;

 今月の"ひらかわ的眼差し"-2/"アートの動き"から読み解く眼差し。;
「白人社会」が見つめる、新たな"日本"と言う国の立居場所とその役割という妄想。

文責/平川武治:
初稿/2022年06月16日:

 今回は、前回の続編、「アート版」です。
本件のいわゆる"ネタもと"は、アートの世界における最近の動きであり、日本のアート業界(?)を
もう、既にかなり揺さぶり始めています。これを"ひらかわ的深読み"で妄想してみます。

「アート版」1)"ひらかわ的眼差し"、アイテム-2/
「grand Tokyo」と言うアートマーケットサロンの登場。/

 日本に新たなアート展「grand Tokyo」の開催が決定された。
ロンドンを本拠地とした、"Art Assembly"がオーガニゼーションとなって企画運営がなされ,
横浜パシフィコで、2023年からの開催予定である。 主催は"アート・アセンブリー"。
 この「grand Tokyo」の責任者はMr.マグナス レンフェリー。そして、新たなチーフキューレー
ターはエリ・タカネさんが選ばれている。このアートフェアーの規模は、80~100店の国際的なアート
ギャラリーを集める予定。そして、日時は2023年7月7~9日で日程が組まれている。
主催者、"アート・アセンブリー"のマグナス・レンフリュー氏は、「いま非常にダイナミックな瞬間
を迎えている。 アジアのアートマーケットは成熟し、それぞれの地域で独自のアートフェアを開くに
値する新しい段階に到達しつつある。現在のアートフェアの開催地以外でも、新たな観客を開拓でき
る潜在力は大いにある。私たちの仕事は、現代美術のコレクター層と観客を広げ、深めることだ。」
と言う。
 そして、彼らの目的の一つに、TOKYOを新たな、そして直接的に、"アートのバブ"化とすることで
あり、その具体的なミッションは、1-市場開拓。2-"Japan Culture Products"日本人クリエータ
ーの発掘。3-世界の各アートシーンとのバブ化。4-アートマーケットの世界基準化。の4つを掲げて
いる。
 続いて、"アート・アセンブリー"のマグナス・レンフリュー氏のインタビューを"ARTnews"誌で
読み込むと、
「国際的なスタンダードを持ち込み、新たな文脈をつくっていきたいのです。」
「アートのセレクションをきちんと監修し、国際標準のものを提供することが重要です。」
「展示されるアートがベストなものになれば、鑑賞者やコレクターも間違った選択がない。」
「現在の現代美術のマーケットは"アメリカ43%、中国20%、イギリス17%の3つの巨大市場であり、
他ではフランス7%、ドイツ7%、スイス2%、スペイン1%、ほか8%、ここに日本も入っている。
が現状。」
「"ARTnews"誌が選んだ世界の現代美術コレクタ-200人(2021年版)では、日本人コレクターは
たった三人だ。」
「中国本土による締め付けの強化によって、アート市場のとしての香港の監視と衰退が憶測されてい
る。」
「そのため、大手ギャラリーは、今秋"フリーズ・ソウル"が始まるソウルに集まり、支店をオープン
している。」
「"grand Tokyo"は、アジア全域で起きている全ての活動と競合するのではなく、むしろ補完する
ことを目指す。」
「これによって、現在の、"台北、デリー、シドニー、シンガポール"に加え、東京が加わる。」
「もはや、(なんでもそろう)総合店舗の時代ではない。」
「どちらか、ではなく、どちらも、なのだ。」
参照/"ARTnews" "ARTnews Japan" https://artnewsjapan.com/news_criticism/article/260 https://www.artnews.com/art-collectors/top-200-collectors/top-200-collectors/「

 2)『これを深読みすれば、「地政学」的に、/ひらかわの深読み視点
 "アート・アセンブリー"はアジアにおいては、台北、デリー、シドニー、シンガポールにそれぞれ
拠点を持っているのでこの並びに組み込まれ、中国香港マーケットに対峙する"アート界のダイヤモン
ド構想化"である。これによって、従来の"L.A.-London-Taipei"とTokyoが結ばれる。
 ここでも、白人たちが見るそして、読む現在の"日本"の見られ方、認識のされ方と、使われ方の
典型的な一つがこの"アート業界"でも現実化されるという深読みの時代性だ。
 ここでは、新しい時代の到来として「地政学」としての"ウクライナ-ロシア戦争"後の読み方或いは
「地政学」的な変化現象を読むことである。
 例えば、今回の「東欧ユーラシアの不安定化」と「中国およびロシアの不安心化」が具体的に炙り
出したことは、「アメリカの政治力の衰退化と国連の事実上の弱体化」の結果、ヨオロッパにおける
新たに、「NATO軍の復活とアジア版"NATO構想"」と言う軍事力における"パワーバランス戦争"が、
先のバイデン大統領来日の「クワット会議」でより、明確になったことである。当然、この裏側には
全て、それぞれの国家がリスクを伴う"軍事防衛費"の負担がどこの国がその恩恵に賜るか?でしかない。
 もう一つ、"アメリカドル"の弱体化。と"中国元とロシアルーブル建"と言う経済構造が構築され
実施し始めたこと。そして、"アベノミックス"によって齎された、"円安"の日本経済の長期継続化。
などもこの"アメリカ弱体化"と"日本利用"すなわち、今後の日本国の立居場所とその与えられた役割
この"アートの世界"でも見えてきた。
 これも、「アジアにおけるプライオリティが取れない国、日本。」と言う現状と今後が読まれてし
まった結果でしょう。単独でそして、将来的にも日本のアジアにおける位置は「いつも、今後も変わ
らず、アメリカのポチ!」。そのためには、アジア版"NATO構想"による軍事力に頼る戦法だ。
 狼狽始めた"大国"アメリカは、"クワット諸国"と共同による軍事力によって対中国を敵視し続け、
「日本国の安心と安全を国民へ訴えなさい。」そのためには「日本さん、憲法改正そして、第9条の
改定しかありませんね。」そうしたら、「国連の常任委員国の席をロシヤを追い出して日本さんへ
あげますよ。」そして、「僕たちの国の軍産世界企業から武器弾薬を堂々と購入しなさい。」
「これには安倍さんにも教育済みで、承知の事実ですよ!」
 これが世界の白人至上主義社たちから押し付けられた「今後の僕たちの国家、「日本」の立居場所
でしかない。」

3)ひらかわの深読み視点ー2/この状況を「アートの世界」へ落とし込んでみると。
例えば、この"アート業界"では、従来まで、「香港」がアジアンマーケットの"玄関口"であったが
この「香港一本化」に不安を感じ始めた白人/ユダヤ人たち。そこで、「ソウル」へも進出した。
この二都市で"アジアンマネー"を吸い込もうと言う発想であったが、ここで、'16年に安倍元首相が
発案した、「アジア ダイアモンド構想」の"アート版"が、先日の「クワット会議」のアート版と深読
できるだろう。
アート業界の白人たちもそのほとんどが"ユダヤ人ビジネス"であり、その彼らたちのミッションは、
「今後、開拓の余地がある"アジアンマーケット"を抑えたい。」そして、「どちらかではなく、
どちらも、」である。
 これは、前号の「ファッション産業」の続編として繋がる根幹は『「グローバル ノース」でもなく
「グローバル サウス」でもない日本』と言う見方が本音の、現在の白人世界から見た「日本」の
"生かしどころ、使い所"であろう。
 ここには、日本人の従順さ、真面目さそして、几帳面さ、器用さ、勤勉さなどの利点をビジネス上
認めた上でだが、もう一つの特徴(?)「白人外国人には弱い。或いは、コンプレックスが強い。」
 これは、同じアジア人である中国人は日本人よりは強靭にインデペンデントであり、儒教観もあっ
てさほど「白人」に靡かないと言う事実を認識し始めた結果の彼らたちの 「イエロー基準」であり、
日本とビジネスを行う白人社会の変わらぬ、"日本"と"日本人"との関わり方であろう。
参照/"Project Syndicateによる"Asia's Democratic Security Diamond"By Shinzo Abe. Dec.'12/
https://www.project-syndicate.org/onpoint/a-strategic-alliance-for-japan-and-india-by-shinzo-abe

4)まとめて見ると、/
例えば、日本人アーティストを発掘して、日本人コレクターを開発し、新たなビジネスにつなげる。
そのためには、日本人アーティストを"同じステージに乗せる"と言う順序と構造が必要。
 このセオリーは前号の"ケース-1のB."アルノー氏の表敬訪問も同じ視点と読める。
すなわち、「日本の技術のよる素材開発とそれらの素材を使っての縫製技術への信頼をできれば、
今後、自分たちの"強み"にしてゆきたい。そのために、"生産表記" を行なってあげますよ。」と
言う同様の視点であろう。
 ここにきて、『新たな時代とは、「再び、今の時代における"植民地政策主義"を「グローバル
ノース」でもなく 「グローバル サウス」でもない"日本"を新たな拠点として、「アジアンマーケッ
トを抑えたい。」 そして、「どちらかではなく、どちらも、」自分たちのビジネスの領域の中に囲い
込みたい。』
このような将来が、僕たちの日本が迎える"未来"であることを少し、「深読み」しました。
「世界の、白人たちがどのような眼差しで、今後の日本と日本人」を"ニュー・ルール"として、
位置づけしてゆくか?
 この眼差しを、このような時代になって今後、実社会で生きてゆく"世代"たちに教育面で気づかせ
る教育、「今後の日本という自国を考え、これを「観察」と定義し、「気づき+問いかけ+批評する」
日常的なプロセスを可能であれば、習慣としての"ルーティーン"として、教育面で刷り込んでほしい
ものですね。

文責/平川武治:
初稿/2020年06月16日:

投稿者 editor : 13:16 | コメント (0)

2022年7月 3日

今月の"ひらかわ的眼差し"/「"白人社会"からみられている、僕たちの国の将来。」-その1。

今月の"ひらかわ的眼差し"/「錆びつきたくない老後。」のために−1。;
「白人社会」からみられている、新たな"日本"と言う国の立居場所と活用とは?
という妄想。

文責/平川武治:
初稿/2022年06月16日: 

0)ちょうど1年前の話です、/
 LVMH社がGoogle社とこのような契約を交わしたことはご存知ですね。 
「LVMHとGoogle Cloud、AIとクラウドベースのイノベーションのための戦略的パートナーシップを
構築。LVMH発-2021年6月16日」

「本日、LVMHとGoogle Cloudは、イノベーションを加速させ、新しいクラウドベースの人工知能
(AI)ソリューションを開発するための戦略的パートナーシップを締結したことを発表しました。 
両社は、LVMHの各ラグジュアリーブランドであるメゾンが、長期的な成長を促進する新しいパーソナ
ライズされた顧客体験を創出できるよう、力を合わせていきます。このパートナーシップは、両社の
創造性、資産、技術力、革新への渇望、そしてそれぞれの市場において認められた地位を融合させる
ものです。」
 このラグジュアリー帝国がこれをやり始めるともう、「今後のファッションビジネスの構造」が
以前,僕が話したまさに「アルゴリズム+A.I.+SNS」の世界の登場ですね。全てのファッション構造
が、作り手も、売り手もそして顧客までもが、彼らのこの「監視社会構造」の中でコントロールされ
てしまうまでの状況です。これが、「 LVMH社」の全ブランドの、全顧客に及ぶのですからこの
パワーは新たな「 Luxuary N.W.O」を構築が可能なまでのパワーでしょう。
 参考/LVMH社のプレスリリース;
https://www.lvmh.com/news-documents/news/lvmh-et-google-cloud-partenaires-strategiques-pour-lintelligence-artificielle-et-linnovation-dans-le-cloud/

 1)この現実が物凄いことである根幹は、/
 この企業、LVMH社はファッション・皮革製品、宝飾、時計、シャンパン、ワイン、香水と化粧品
からイタリーのチョコレート、デパート、免税店、ホテルそして、メディア、遊園地、ヨットハーバー
までも。19世紀の"グランツーリズム"のコンセプトを現代までも継続している世界トップのラグジュ
アリー企業体であると言う現実でしょう。
 この企業グループのそれぞれの顧客たちとは今後の「格差社会」構造における確実な富裕層を
「仮想監視」が出来、「アルゴリズム」によって、コントロール可能な世界を構築しようとしている「ラグジュアリーファッション世界のN.W.O.構想」と読める。これは、「UNIQLO」の顧客とは雲泥の差と言うことであり、"数量"ではなく"質"の差異でしかない。
 これが現実のパリの「ラグジュアリーブランドビジネス」の世界版でしょう。
(参考;LVMH社全ブランド詳細は、上記のLVMH社のプレスリリースを参照のこと。)

 この"LVMHとGoogle Cloud"の業務提携に対してのコメントで面白かったのは、
"Luxury Society"と言うサイトでした。興味ある方はご一読ください。
(参考/この契約についての"Luxury Society"のコメント;)
https://www.luxurysociety.com/en/articles/2021/07/lvmhs-deal-with-google-is-groundbreaking-heres-why

 そして、本題、「ここ数ヶ月の出来事を深読みする。」/
 2)"ひらかわ的眼差し"、アイテム-1/ 
 
 B.アルノー氏が松野官房長官を表敬訪問とその発表事項。
【時事通信社】発/『松野博一官房長官(右)は2日、高級ブランド「ルイ・ヴィトン」や
「ディオール」を手がける仏LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)のベルナール・アルノー
会長の表敬訪問を首相官邸で受けた。』 
【経済産業省】発/5月2日(月)LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトンのベルナール・アルノー
会長兼CEOは、日本のファッション・アート産業との連携強化を目的に、松野官房長官を表敬訪問し
ました。会談では、岸田政権における新しい資本主義が重要視している「人的資本投資」を通じた
伝統技術・工芸や個の創造性の発現であるアートが、これからの価値創造の源泉であることが確認さ
れました。今回の訪日において、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン社からは、ファッション・アート
分野における下記3つの連携策の提案がなされました。
 ①LVMH(モエヘネシー・ルイヴィトン)において、日本の素材等が使用されている場合には、商品
説明欄に具体的な産地名を記載するなど、日本の産地が有する高い技術力の海外発信により一層協力
すること。
 ②同時に、LVMH(モエヘネシー・ルイヴィトン)において、高品質な素材等を提供する日本企業と
の連携を一層発展させて、日本の企業、特に中小企業各社や職人の成功に貢献すること。
 ③さらに、LVMH(モエヘネシー・ルイヴィトン)において、日本の若手アーティストや工芸家との
コラボレーションをより一層推進すること。
 そして、経済産業省としても、日本の素材のブランド化や、ファッション・アート産業の中小企業
職人、若手アーティストとの連携を支援していきます。
https://www.meti.go.jp/press/2022/05/20220510004/20220510004.html

 3)これを深読みすれば、/
 『日本は新たに、「マイルド・新植民地」化へシフトされる。』が僕の深読み視点の極論です。
現在の東ヨオロッパ、ウクライナーロシア戦争とその影響を受けた政情不安と経済不安で彼らたち
のメインの下請け工場に影響が出ることを読んだ白人至上主義者たちの新たな戦略と読める。
 もう一つは、中国の政経政策の強行化とその結果の"先行き不安"が蔓延化。例えば、今回の"上海
ロックダウン"による物流までも港に停滞したままという現実。そして、日本の"円安"がもたらした
新たな現実としての、「中国は消費地、日本は生産地」と言う新たな位置付けの戦略でしかない。
 この現実の裏には、「日本はもう、今後も"アジアでのプライオリティー"が取れる国家では
なくなった。」という白人至上主義社たちの認識の結果であろう。

 4)これを実直に喜ぶのは、/
 外国人国際企業へ両手をあげて笑顔で喜ぶ昭和の政治家たち、彼らの"寄らば大樹の陰"という安心
のみを売り物にしている輩たちであろう。
 もう、今後の日本国はすでに、中国に完敗。-政治力、経済力、IT力、人口、勤勉などなど。
従って、"アジアにおけるプライオリティーが取れない。"と言う認識の元で、日本の政治家の開き
直り現象として、彼らは「忠犬-アメリカのポチ」でしか活用が無いという役割を担わされた事実と
現実が"小泉内閣以後"の自民党のお仕事であり、大臣在任中にどれだけの「ファミリー利権」(従来
の"天下り"ではない、)を手中にするか?のご褒美をもらって粋がっている日本における
新自由主義者たちを抱き込んだ戦略と読む。そして、彼らは当然、"アベノミックス"以後、日銀の
政策も今後変わらない、"円安"が続くと読んでの動きでもある。

 5)世界のファッションの世界でイニシアティブをとる白人たちはグローバル以後、
「日本人と中国人の違い」を現実の上でよく学んだ。

 彼らたちは同じアジア人種でも、日本人と中国人と韓国人の"民族性と国民性"の違いを2000年
以降、積極的にビジネスを行なってきた経験から熟知した。その上で改めて、彼らたちは「アジアン
マーケットは上得意さま」である事を再認識し、「今後もますます、アジアンマーケットが大事で
あり、コントロールすることが自分たちのビジネスの地盤である。」を確信させた。
 結果、「イエローたちから稼ぎ、その稼ぎをより、白人たちのバニティーな欲望を満足させる。
すなわち、"ラグジュアリー"をより、輝かす。」という、この構造化が具体的には"パンデミック
以後"始まったと読もう。
 しかし、この構造のオリジナルは'90年代バブルを経験し、強化した彼らたちの「ファッション
ビジネス構造」そのものにオリジナルがあった。それは、「オートクチュールとプレタポルテ」の
関係性とその構造でしかない。もっと、わかりやすく言って仕舞えば、"インポートとライセンス"の
関係あるいは、"ラグジュアリーとファストファッション"の関係である。
 彼らは今後、世界的「格差構造」が構築される社会を熟知した上での発想で、この関係性を現代の
"地政学的"に再構築したに過ぎない。この彼らたちの根幹発想はなんら、「近代」と「後期近代」の
域を出ていないのである。
 
 6)中国はもう「グローバルサウス」ではなく、「グローバルノース」と言う認識である。
 この視点と認識は今後より、重要かつ、大事であり特に、日本人の昭和世代の脳みそを入れ替え
なければならない。例えば、極論すれば、「もう"中国産/Made in China"は安くない。」という
視点を持たなければならないこと。
 従って、ここでも「アジアンマーケットのバブ化」が変わらず、今後の日本の国際社会での役割で
あり、その位置付けも「グローバルサウス」に一番近い「グローバルノース」となる。
 そこで、この「アジアンマーケット」とは20年ほど前までは「日本しかなかった。」現実がこの
10年ほどで、「中国と韓国そして、日本」という位置付けになってしまった現実も読み込むべきである。
 「グローバルノース」と「グローバルサウス」の"位置つけとその役割分担"も現実には、白人社会
が「二元論的視点/dualist ontology」に基づいて一方的に自分たちの都合で身勝手に決め付け、
ロジック化したものでしかない。そして、この根幹は過去の"植民地政策主義"に由来している。
 そして、彼ら白人たちが決めつける「グローバルサウス」とは元来、国連などの機関がアフリカ、
アジア、南米を指す地理的な区分としてこの用語を用い始めたがグローバリズム以降、研究者や活動
家が「現代の資本主義のグローバル化によって負の影響を受けている世界中の場所や人々」を指して
「グローバルサウス」と呼び始めた新たな"地政学"的言葉である。
(参照/https://www.vogue.co.jp/change/article/words-matter-global-south)
 今後の日本のアジアにおける"地政学"的な位置は"「グローバルサウス」に一番近い「グローバル
ノース」"という極めて"グレーゾーン"として今後の日本の存在価値が求められるのであろう。

 7)LVMH社のM.ベルナール アルノーのビジネス戦略の読み方の強かさとは?/ 
 このベルナール・アルノー氏の突然の行動は、やはり彼らの強かさである、"先読み"結果であり、
「日本のおいしいところはところで、十分に使い勝手がある。」と言う、"どちらか、ではなく、
どちらも"と言うユダヤ発想なのだ。
 例えば、日本の繊維生産工場の"ハイ技術とクオリティと誠実さ"を認めての"新たな工場漁り"の
一環であり、3番目の事項では、「日本人の器用で、感性豊かな優秀な"モノつくり人間"までもを
自分たちの虚飾なレッテルを利用して、自分たちの"投資材料"にする下心で、"コラボ"という
「今だけ、金だけ、自分だけ」の白人目線の「新・自由主義」戦略を翳している。
 従って、ファッションという括りの、"服"から靴、バッグもそして、香水と化粧品、貴金属も時計
もテーブルウエアーに至るまでのビジネスは、やはり顧客になり得るのは少数の白人富裕層と大量
顧客としてのアジアンマーケットを主軸とした構造を維持することがビジネスの健全発展化に繋がり
近年の黒人たちへのアプローチは一種の"広告宣伝"と、"バニティな煽り運転"でしかないという理解
と認識と結論が彼の突然な"表敬訪問"だったのだろう。
 そこで、M.ベルナール アルノーは現在の「"ファッションビジネス"の根幹は『素材と生産背景と
その構造』をどのように負担するか、或いは構造化するか?」に懸かっているのが現実であることを
読み切った実戦略であろう。

 8)彼らたちのアプローチが今後どのような状況をもたらすのだろうか?/
 ポジティフに考えれば、「世界のラグジュアリーブランドに日本の匠力と技術力そして、日本人の
性格のモノ作りの良さの色々が認められた」ところでの"素材力と縫製技術"の高さであろう。
 ネガティブに考えれば、「白人に従順な国民性」を利用し「国内のアパレルとデザイナービジネス
がこの皺寄せを喰らい、いずれ倒産廃業化に及ぶブランドやデザイナーたちが増えるであろう。」
が勿論、考えられる。
 そして、この強かな世界のトップ企業は以後、事がうまく運ぶようであれば、テイの良い"A&M"に
よってあの"KENZO"の二の舞、「"援助"が"乗っ取り"に変身させられる可能性もある」までを経済
産業省のお役人さんたちは読み込んでいるのだろうか? ないだろう❗️

文責/平川武治:
初稿/2020年06月16日:

投稿者 editor : 15:10 | コメント (0)