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東京コレクション速報紙 「LE PLI」発行のお知らせ。

東京コレクション速報紙
「Le Pli」 再発行の趣意:
編集責任;平川武治/平成17年03月:

 10年ほど以前に、この「Le Pli」紙を東京コレクションの私的眼差しの速報紙として発行した経験を再度、今シーズンの東コレより再発刊しようと考えました。

 ファッションを取り囲んでいた時代と環境の全てがまったく変化し始めた現在です。経済、社会、生活と政治さえも、それらがもたらした「戦後の豊かさ」が一様に「新・中間大衆」たちに享受されたという時代性。
 当然、この現実の裏側に存在している価値観も、戦後日本を現在のような社会性、経済性へと導いてきた「将来志向、効率志向、仕事中心という『道具的手段主義 Insturumentalism』の価値は衰退し、それに代わって、現在中心、情緒志向、快楽志向、私生活中心的な『即時的快楽主義 Consummatorism』の価値が現在の私たちの新たな日常性を支配し始めています。(*1)
この様な新たな「豊かさの日常性」はグローバリズムの高度な全世界的構造化によってより、進化をもたらしいわゆる「21世紀のリアリティ」がやっと、現実的に僕たちの日常生活環境で始動し始めたという機・気を大切に、ここでもう一度、東京におけるファッション・デザイナーの世界へ、何のしがらみもなく、持ちえた情熱と感情と学習してきた経験を本質とした「21世紀スタンダード」を基盤に考えながら、永年からの低温火傷状態の現状・東コレへ新たなる一石を投じようと決心しました。

 そこで、この東京コレクション速報紙『Le Pli』は、
編集テーマ;「なぜ、東京のモードは文化の領域へ達し得ないのか?」
編集コンセプト;「ラジカルな読むジャーナリズム」
編集視点;「クリエーション、エステティック、インテレクチュアル、
エモ-ショナルそして、ウエアラブル」
再発行の意義;「独創性、現実性、辛辣性そして、速報性と人間味」
これらを基盤に今シーズンの東京コレクションを平川の私的レベルと方法によって発行いたします。

 この一石を投じることによって、願わくは東京のモードが文化の領域へ一歩でも近ずけばの大いなる思いを込めて。

責任編集;平川武治。
(*1) 出典;「倫理としてのナショナリズム」 佐伯啓思著・発行NTT出版。

投稿者 : editor | 2005年04月01日 01:01