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或る友への新年の手紙−1;
こんにちは,
昨年もご無沙汰をして余り,君への手紙を交わさなくてすみませんでした。
お変わりありませんか?
いっぱい会いたく,幾度も想い何処にいらっしゃるのかと,そんな時のあなたからのメールはとても励ましと安心と懐かしさそのものでした。遅れましたが,改めてお礼を申します、ありがとう。
『穏やかで,爽やかな新年の始まりをお迎えになられたことでしょう。
今年も宜しくご鞭撻ください。良き関係性を出来るだけ永く!!』
少し,昨年、僕がどのようなことを考えて行動していたかをお話ししましょう。
『昨年11月も始まった頃急遽、マリ共和国へ、;
巴里の後、11月初めから急遽,西アフリカのマリ共和国へ出掛けておりました。この街の首都,BAMAKOというところで、アフリカ人写真家たちの為の写真ビエンナーレの7回目が開催される事を知ってこれを発端に急遽、出掛けたのです。
僕の好きな写真家,Malik Sidibe(マリック-シュリベ)と言うもう、75歳の彼がオーガナイズしている此のビエンナーレは僕には何かもの足りぬものへの『好奇心』を求めに行きたくなったのです。良き『好奇心』さえ持ち続ければ,自らの内に良いエネルギィーが与えられ、持ち得ることが出来るとまた,好奇心さえ持ち続けられれば歳を取らないであろうという持論の実行でもありました。
こゝろの発端は,モードの世界の身勝手な生温さとその,虚飾さにそろそろ我慢が出来なくなって来た事も在ります。好きなモードにしがみついてばかりが本心、しんどくなってしまった事も一つの原因でしょうか?
そこで初めての西アフリカへ、数週間『こゝろヒッピィーな』人生最後の旅へ、バックパックを背負い込んでの此の歳になって体験するべく旅に出掛けました。
自分が取る行為と行動にはいつも『リスクとコスト』が、これが僕のもう一つの人生訓。また何れ,彼らたちもいつの間にか消費社会の一員になるであろうとの明るい気持ちも手伝ってでしたが,いや,大変な旅でした。
残された今後の時間に、とっても良い経験と出会いの旅となり,ピュアーでシンプルなエネルギィーを貰って帰って来ました。
いつも、旅は自分が予測出来ない事の不連続。
これが旅ですから楽しいのでしょう。
その時にどのようにその時間と経験を受け止められるかでしょうね。
それが現実というもの。
僕のマリもそんな連続でした。
此の歳で、いい意味に、またカルチュア—ショックでした。
たいへんな国です。
学ぶ事が、新たなこゝろで学ぶ事がいっぱいありました。
その一番は『働くということ』でした。
彼らたちの『貧しさ』を知ったこと。
彼らたちの『生きる事への執念』を感じたこと。
彼らたちの『人間としてのチャーミングさ』を覚えたこと。
それらを知ってしまったらそれに対して、何をしたらいいのか?
どの様なこゝろと態度で向かい合ったらいいのか?
もっと、残された時間をいっぱいに、一生懸命に、働く!!という想いが深く。
写真展へは少し参加させて頂き、此のビエンナーレがとても力強い,何か自分たちの眼差しで何が出来るのか?という、こゝろのエモーションとラジカルな視線の参加写真群は僕に新たな刺激をいっぱいくれた機会でした。http://www.fotoafrica.org/
丁度,帰国して判ったのですが,昨年末はアントワープの友人の写真ギャラリーではM.シュリベとセイジュ-ケイタの展覧会がそして,恵比寿の写真美術館では『AFRICA』展が開催されていましたね。(また、”週刊東洋経済”誌の今年の新年号ではビジネス面から『アフリカの衝撃』が特集としてくまれています。)また,此の国には『藍染め』と『泥染め』の技術の良いのが残っていて未だに、此の国の伝統産業として継続されているそのような現場も見せて頂く事も出来ました。
今回の、乗り合いバスを乗り継いでの旅では、もう少しで『死』と出会うはめになった事もあってマリの旅は以前、行った東アフリカの旅とは全く印象の違う現実に訴える人生、本当に最後の『こゝろヒッピィー』な旅を経験させて頂き帰って来ました。
そして、出来れば人生の最後は『羊飼い』になりたくなって帰って来ました。
『 やはり,モードの世界は”A fashion is always in fake. ”(A fake means image or ?) ;
30年以上も昔に、僕が好きだったこのモードの世界へ入る前に僕なりに思っていた此の言葉は案外と当たっていたようです。多分、此の『フェイクのネタ』が実社会のリアリテの豊かさに依ってバレはじめ,本来の魅力が変質し,喪われ始めたのでしょうか? これが’70年代以降から生まれた『POP社会』即ち『大衆消費社会』の泡沫化現象の一つでもあるのでしょう。(MICRO-POPの彼方に。”After the Reality"の次なるを想像すること。 )
だから余計に新たな『リアリテ』に好奇心と自由を!!
そして、与えられた生としての時間を先ず、感謝して次なるは、僕なりの『リアリテ』に一生懸命、『リスクとコスト』を張ってゆきたいのかも解りませんね。
今年,2010年はいろいろ、『頭を開いて、質のいい好奇心』とその流れの時間に委ねて下さい。勇気と責任感を持って!その根拠性は『人間としてのがんばり』とそこから生まれる『優しさ』です。
『豊かさのイメージ』を追う事に疲れた只の,難民にならないでください。迷わないでください。
君が学んだ事,贅沢に経験されて来たことを持って、持ち得たそれぞれのすばらしい『関係性』を大切な因りどころとして、気概と真こゝろを忘れず、社会へ君しか出来ない立場を創り、大いに、世の為に役立ててください。今年も!!
『人間の乗った回転木馬は多くの変化に会った。インドや東洋の国々が数千年の努力を費やしてやっと,脱ぎ捨てた迷妄は西洋が同様の苦心を払って,維持し強化して来た迷妄と同じである。』 H.ヘッセ/荒野のオオカミ:
どうも、ありがとう
変わらぬ関係性と共に呉々も、ご自愛とお励みを。
ひらかわたけはる/平成弐拾弐年正月吉日:
投稿者 : editor | 2010年01月14日 23:40 | comment and transrate this entry (0)