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ARCHIVE原稿(3)「WOODSTOCK ROCK FESTIVAL」の40周年記念日に思うこと。そして、『共棲資本主義』(Original/Sep.'09)
40年前に;
昨年の8月15日はあの「WOODSTOCK ROCK FESTIVAL」の40周年記念日でした。1969年8月15日から始まった此のロックフェスティバルはもう,40周年を迎えたのです。
僕は幾日も、幾度もDVDを借りて見入りました。別にこれと言う理由は無く見始めたのです。多分、此の時代のロックミュージシャンたちに興味を覚え,特にJ.ヘンドリックスやサンタナが聞きたかったからでしょう。
そこには、奇跡が現実になった3日間がありました。
ROCKに集まった50万人の若者たちが一つのコミューンを,小さな村を構成したのです。
ロック好きな若者たちが数人たちで企画し遂にはN.Y.郊外の私有農地を借りることが出来、行われたのが此のロックフェスティバルでした。(これは会場となる農地のオーナーの息子とその家族から描いたフェsティバルの映画が製作されている。’09年)
ここで一つ,大切な事があります。自分たちが好きな事は自分たちが思い立ち,企画してそれらを自分たちの手で、彼らたちのリアリテで成し遂げたと言う,もの凄く当たり前な事ですが,大切な根拠性がここにはありました。現代では此の手のフェスティバルは広告代理店と企画会社任せのものが総て。ここに一つの問題定義を感じます。総てが商業主義に乗っ取ったヤラセイベントだという事実。
当然ですが,当時のロック音楽大好きな15,6歳から30代前後の若者たち男女がまさに,『ロック大好き!』と言う理由だけで最終,50万人も集まったと言うこと。企画者たちの最初の予想では3日間で約20万人集まればトントンでいいよな!!と言う位で始めたそうです。
今から見ればステージやセット環境も然程のものではなく、必要な環境としてのステージとスピーカータワーのみが用意された規模でした。それが結果は50万人も集まった此の当時でも世界始めてのロックフェスティバルになったのです。
最初は前売り入場券を発売していたのですが,余りの観客動員のため2日目以降は全くのフリーコンサートにしてしまったのです。これも凄い事ですね,当然、代理店が入ってですから今では考えられない事です。
ロック好きな若者たちが自分たちで好きなロックのコンサートを自分たちの手で企画し開催する。やる以上は自分たちが聞きたい,また聴いてもらいたいすばらしいロックを演奏してくれるミュージシャンたちへ声を掛け出場依頼を行う。その真こゝろが結果が,J.バエズ、J.ヘンドリックス,10Years after, J.ジョップリン,サンタナ,Who,想い出せばきりがない程の当時の凄いミュージシャンたちがまた,すばらしい演奏した此のフェスティバルは規模もそうですが,中身も大変に濃く凄かったのでした。
3日間の此のフェスティバルの状況をDVDで連日見ているとそのステージはむろんですが,観客たちへ眼差しが行く様になりました。
最初は此の様な経験をした当時の若者たちも今では50歳を超え始めたと言うこと。人生の半分以上が過ぎてしまった彼らたちは此の『ウッドストック体験』がその後の彼らたちの人生へどのように関わったのかが気になり始めたのです。ある種のジェラシーを彼らたちに感じる様になり始めたのです。
スクリーン上で見ている限り,当時の彼ら若者はいわゆる,大人しく,それ程,お行儀も悪くないすばらしい若者たちに見えました。彼らたちのもう一方では,あの『ベトナム戦争』の現実が忍び込み始めてもいました。そして,やはり此の時代なのでしょう,『黒人』観衆は未だ,少なかったです。見るからに『ヒッピー』が目立った為でしょうが、普通のロック好き若者たちが大半だったでしょう。服装を見てもその殆どが,G-ジャンとG's, T-シャツそれにコットンのチェックのシャツ、ライダージャケット等が多く見られた今も変わらぬアメリカンスポーティカジュアルな彼らたちの服装でした。
此のフェスティバル体験者のその後の40年。これをインタビューにまとめることが出来ればこれはきっと、20世紀の一つの文化の明かしにもなるでしょうし,楽しいものが出来るであろうと感じ始めたのです。
僕は此の時期には丹波の山奥へ籠り,陶芸家の所で丁稚生活を始めていた時代でした。此のDVDを見れば見る程に此のフェスティバルに参加しなかった事が残念に思ったのも事実。画面上で日本人がいるかを探しましたがそれらしき東洋人は居たのですが直接は発見出来ませんでした。もし,居ればその人を捜し出してインタビューをしたい迄に高揚したのです。しかし,考えれば此の時期に海外へ出ていた日本人は数が少ないし,ヒッピーだった人も少なく,もし居ても彼らたちはインドへ出向いていたのでしょう。それに,此の時期の日本はもう一方で,『安保闘争』が始まり、学生運動が盛んになり始める時期であった事でヒッピーになった若者よりも学生運動へ走った若者の方が多かった事も僕たちの戦後のリアリテだったのでしょう。だから余計探し当てたかったのですが、
そして,コンサート状況を見ていると次にはその観衆たちの行動とその環境が見え始めました。3日間で50万人は本当に突然に出来上がった小さな都市です。もう,初日の遅くからは,当然ですが此の会場がいわゆる田んぼの真ん中ですから多くの観衆たちが乗り合いバスや自家用車やバイクでしか来れなかった事での『交通停滞』が始まったのです。
出演者であるミュージシャンたちでさえ会場迄来れなくなったので当時のUS空軍が手伝ってヘリコプターで彼らたちが会場入りを始めた程の状況だったのです。次に『トイレ問題』、画面でも出て来る『水問題』と『食料問題』場内アナウンスでも入る『ドラッグ問題』と『セックス問題』そして,最後には『ゴミ問題』までの此の「7つの諸問題」が此の僅か3日間のウッドストックの会場で起き上がっていたもう一つの凄い現実でした。しかし,その後の40年間で僕たちの都市生活環境にはこれらの『7つの諸問題』が拡大と蔓延と日常化しただけの40年間ではなかったかと言う視点を憶え感じてしまったのです。そうです,僕たちのその後の40年の現実が、ここにはそれらのオリジナルが既に、あったのだと言う見方が出来たのです。凄い事です。その後のアメリカがヴェトナム戦争へのめり込まないで,冷戦関係に始終して軍事産業のみの活性化を考えなければ,暗殺者やテロリストを育て上げなければ,石油利権に塗れなければ,中東戦争を始めなければ,此の『Woodstock Rock festival』を一つの未来社会の始まりとして観て,考えれば此の40年間も随分と変わったもっと,寄り道をしない,進化した現実を生み出していた事であろうと考えてしまったのです。ここでは『人間の真面目さと素朴さを信じる』と言う僕なりの教訓を見ました。
ここに僕は今後の『共棲資本主義』のオリジナルを見てしまったのです。或る意味で此の50万人は一つのコミューンでありコミニティでありそこには一つの安心があり安らぎがあると考えればここに新たな観念と感性の元に,『ユニフォーミズム』が成立するであろうと。豊かさのイメージを追う事に疲れ始めた若者たちが向かうべき新たな世界はこんな所かもしれません。共有するものがロックなのか,クラッシックなのかヒップホップなのかアキバ系なのか,サッカーなのか?エコなのか?ひつじなのか、僕たちが持ち得た「自由の裁量」で括る多数のコミュニティが人生の新たな『気概』を生む迄の発想をすればここに何らかの新しい21世紀が生まれるはずでしょう。
『共棲資本主義』—『コミューン/コミニティ』—『地元』—『レジデンサー/居住者』—『コミット化』—『環境』『エコ』—『精神主義』〜『共費消費』『共有消費』〜『時間概念』の変革—『popの泡沫化』〜『Micro-POP』『After the reality』の向こう側。此の様なキーワードが思いつきますね。
『ユニフォーミズム』
これが今僕が想っている言葉、感じている言葉です。
そろそろ来そうです。今の時代の、感覚と気分と気概によるユニフォーミング。
『UNI-FORM』ですね。
このWoodstock Rock Festivalに参加した人を捜していたらなんと、僕の古くからの友人、あのDianeParnet女史が"Take,I was there by the helicopter," と教えてくれた。『私はグラムで、ロックではなかったけど行ったの!』何と、悔しい限り!!その後、改めていろいろ彼女からこのウッドストックについて聞く。話は幾人かのミュージシャンとその演奏についてとドラッグの話、極めて個人的な話で終わった。
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次世代デザイナーたちの可能性としてのサイト;
あの僕が尊敬をもしているこのまちのデザイナー、Jean Colonnaが新たなファッションビジネスを始める。www.jeancolonna.frで見られるサイバービジネスです。
素材はカシミヤとシルク混。アイテムはタンクトップとT-シャツと彼自らのアーカイブコレクションからのレザーものも含めての3アイテム。型数はそれぞれショート、ミディーとロングの3型。編立てもメリヤス,リブとレース編みの3タイプ,色数も黒,カーキィーと肌色の3色。サイズも3タイプでこれらをマドリックス化したビジネス戦略のブランドをインターネット状で再開した。素材をカシミヤとシルクに絞ったことから総てをミニマムに絞り込んでのある種,『マティマティックなプロジェクト』を始めた。素材と生産工場はネパール。デザインディレクションは巴里。ビジネスはネット上。
最後は、ネットで受注を承けると真空パッケージにして郵送。服は高級素材であり,薄物であるからインナーにも,下着にも,ホームウエアーにもそして,ベッドウエアーにもなるコーディネートファッションアイテム。それに、かさ張らないので旅行にも持って行ける快適的さと最適さを持った服。時折,テンポラリィーなショップを開きメディアへもサービスをすると言う迄のコンセプト。真空パックの中にはミニ-メディアも入れ込んだ面白さもある。
此のオリジナルアイディアはN.Y.のブランド『NO EDITIONS』 http://noeditions.com/ 元H.ラングに居た2人組が始めたプリントを組み替える事での面白さと新しさを売りにしたやはり,アイテムはジャン-コロナと同じようなタンクトップ、T-シャツがベースでのショート、ミディ,ロングの3タイプここではプリントデザインに工夫が凝らされていて施されたプリントを着て楽しむと言う趣向のブランド。
ここでも,若いデザイナー志望の人たちへ助言する事は今の時代『サイト』を使ってのサイバービジネスを考える事は必然的になったと言うこと。それを利用する事で出来うる新たな可能性或るクリエーションと広がる関係性をビジネス化してゆくという発想はショップを持ったり,卸に夢中になるよりも今的なアイディアの一つになろう。
これにも後談がある。
彼らはこのサイトビジネスのためクリスマスシーズンに向けて空き店舗をマレの中に見つけて来て最小亜3週間程のつもりで、テンポラリィーな形態でオープンさせた。これがシーズンの勢もあって、案外好評で未だ開店中である。この理由は、jean曰く、目的であったサイトでの商売がこの巴里では3ヶ月でたった1件しかビジネスに成らなかったのでコレクションシーズンに訪れる日本人バイヤーたちへ向けての旧形態のビジネスに切り替えた為であった。そして友人をディストリビューターにしての旧態ビジネスへ落ち着いたらしい。これでは僕が期待していた新しさが生まれず、又間に何人もの人を入れての商売であるから結局、売値が高くなってしまっている。u.aを始め幾社かが買ったらしい。やはり、此の様なpcの発達とそのビジネスは日本の方が早くおもしろいのが現実であり、巴里は未だ遅れている。つまんないね!!
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日本素材のすばらしさの証拠;
パリプルミエールビジョンはこのような時代性の元,訪れる客層がより広がり,ここで発信される『トレンド情報』を求める顧客の層に変化が現われ始める。プレタポルテデザイナーたちが挙って『よらば大樹の陰』的に此の『トレンド情報』を参考にしての素材探しはプレーヤーが代わり最近ではspa型のアパレルが良い顧客であり,中国人たちもその中に混ざり始めた。そして,今迄のプレタポルテデザイナーたちの尖った連中は少しでも違う,スペシャルで、変わった,使ってみたい素材へと変化を見せ始めた。そんな彼らたちが憧れるのが日本の素材である。今年から始まった『プルミエールビジョンテキスタイルアワード』第1回のINNOVATION賞にIWANAKA,HANDLE賞にSHOWAが受賞した。
そして、特別賞に僕も以前、彼らの展覧会企画の仕事をした、Jakob Schlaepfer社が受賞した。
このjakob社は先シーズンに期間中にマレのギャラリィーを借りて素材展を開いていたのは流石だった!!
(PREMIERE VISION // Newsletter Novembre // PV AWARDS // Round One)
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別記;
このところ盛んになり始めたファッション展覧会;
*mina perhonen/24 October~ 28 Feb. '10/ at The Audax Textile Museum Tilburg./オランダ/これはもう終わってしまったが、カタログがminaしていてこのブランドの世界観の総てがある。いわゆるかわいい美意識がいっぱい。日本初のすばらしさの一つ。/www.textielmuseum.nl
*Bnernhard Willhelm & Jutta Kraus' / 13 Dec.'09~ 11 April'10/ at the Groninger Museum,Groningen/オランダ/これも先日に終わったもの。彼らたちの10周年のコレクションとそのイメージを展示したもの。この美術館の建築があのメンフィスの主謀者、A. Mendiniのディレクションになるもの。/ www.groningermuseum.nl
*Alexander van Slobbe/ 13 Feb.'10~16 May '10 /at the Centraal Museum Utrecht / オランダ/ 日本での人気のあったメンズを主体にレディスも良いコレクションを展開していたSOブランドの20周年記念の展覧会。彼の知的なソース オブ クリエーションが丸見えの中々の良い展覧会。彼の知的創造性はある時期のマルタンやウオルターよりも早く先駆けていた、エッジに効いたコレクションが今も新しく見える。僕もカタログに寄稿している/http://www.centraalmuseum.nl
*Y.S-Laurent /29 Feb.'10~29 Aug.'10/ at the Petit Palais/ 巴里/僕の友人のflorence Mullerがキューレターとして立ち上げた最新のYSLの展覧会。’58年から2002年迄のものを写真とVTRとイラストで回顧展。P.BERGE財団の持ち物を主体に展示。/ http://www.yslretorspective.com
*Hussein Chalayan/03April~20 Jun'10/東京都現代美術館/フセイン自らがこの展覧会の紹介をした以前、ロンドンのデザインミュージアムで行われたものの巡回展。彼のインテレクチュアルな人柄と几帳面さが解るイメージ-マジカルツアーby hussein編。/http://www.mot-art-museum.jp
+追記;
1年程前から気になっている良いショップ。
GENBAGEN/ http://gbgemirrorblogspot.com / 鎌倉市大町3丁目/一度、行ってみてください。作る事のうれしさと楽しみと怖さが感じられるギャラリー。オリジナルとはを学びたい人は是非!!行けば、もしfusaさんがいらしたら必ず、お話を交わしてください。
文責/平川武治(再編集)
投稿者 : editor | 2010年04月16日 07:22 | comment and transrate this entry (1)
平川さんの考えや未来への警鐘は本当に考えを改めさせるし、勉強になります。
失礼ですが、お年を全く感じさせない新しい世界観と時にチャーミングな物言いに尋常ではないセンスとエスプリが滲み出ていますね。
平川さん、無理を言いますが沢山の日本人が見る事が出来るように何か雑誌か本を出してくださいませんか!
沢山の日本人に平川さんの考えていることを残すべきです!勝手な事ばかり言ってすみません。
お体に気をつけてこれからもロックし続けていってください!
投稿者 高橋誠太郎 : 2010年04月19日 01:01