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"迎春寿福" 令和六年正月。/ チューリッヒの友人への返信、「倫理観をデザインする時代」。

 "迎春寿福" みなさま、あけましておめでとうございます。 令和六年正月吉日。
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 昨年もこの、"Le Pli"に関心をいただきありがとうございました。
今年もぼちぼちと変わらない視点で、日本のファッションメディアと称する媒体では
書けない真実を誠実に見つめ、書き連ねる覚悟です。
好奇心在る方はどうか、よろしくお付き合いと共に、ご指導、ご鞭撻ください。

 さて、年が変わった今年は新年早々、色々な災難が起こってしまいました。
多分、これからの今年は順風万歩とは行かない"月の周期"に入ったと危惧してください。 
  
 今、私は80歳になろうとしています。
ファッションの世界ではすっかり "オールドスクール "になってしまいました。

 かつての白人至上主義者によって構築された
「西欧近代」のパラダイムが限界に達してしまったという現実。
そして、現在のライフスタイルはより物質的な豊かさとなる。
 そんな時代のファッションの世界におけるファッション・デザインは
今後、これにどう向き合うべきなのか。
そのためにファッションビジネスはどうあるべきか。
また、そのために避けられない"新しいパラダイム"とは?
こんな視点をコロナ以前から、私は学生やこの世界の人々に機会あるごとに
提言するようになりました。
 
「これからのファッション・ディレクターであるあなたたちは、
何をディレクションするのでしょうか?或いは、すべきですか?
何を演出すべきか、何を創造すべきか?
もう、こんなにありとあらゆるモノがある時代なのに?
まだ、"ゴミ"をつくるのですか?
そして、ファッション・ビジネスとはただ、儲けるためなのですか?」

 「西欧近代」が崩壊したこの時代に、私の40年の経験とそこから学んだスキルそして、
私のこころの中にある感性をひとつにして、接する若い人たちにこの現実とその根幹を
語っています。

 私の答えは、「これからは、ファッションの世界の人達も"倫理観"を念頭に置いて、
ビジネスを想像し、デザインし、イメージングしてください。」です。
 私の現在の"ファッション・キーワード"は「倫理観」です。

 おそらく、あなたが「サステイナブル」でやっていることの基本でもあるでしょう。
そして、古い「西欧近代」のパラダイムをどこまでも引き伸ばそうとするあなたたちの
世界の中で「SDGs」や「サスティナブル」は「地球及び、自然環境と人間生活のための
倫理」がテーマで根幹でありますね。

 ここで、私たちが日本人であるために、皆さんとは異なる「宗教とその哲学」からの
「倫理観」も、今後の"新しいパラダイムシフト"には絶対に必要な"思想と考え方"で
あると信じているからです。

 亡くなって1年が経った、VIVIANNE WESTWOODの"パンクスピリット"は
彼女の晩年の生き方を知れば知るほど、とても強靭でラギッドな気骨ある"パンク精神"を
持ち続けられたファッションデザイナーとして尊敬の念が深まるばかりの人です。
 彼女の晩年の "パンク "は、自分のブランドのために「サステイナブル憲章」の制定と
その実践に尽力したことです。また、私生活でも"ヴィーガン"を実践していた人でした。
そして、私に目に見える形で大いに好奇心を持つことを教えてくれた一つが、彼女独自の
「VIVIANNE WESTWOODのパンクスピリット」な生き方でした。
 この彼女の強靭なパンク精神である「サスティナブル憲章」のお陰でこのブランドは今、
実質、営業成績が世界規模で"右肩上がり"という現実を生み出しています。
 ここで、やはり日本で「パンク」を売り物にしてきたデザイナーが功労賞を貰った途端に
彼女の口から「パンク」が消えてしまうまでの"なりすまし人格"が気になりますね。
 これがヴィヴィアンと川久保の二人の女性の「倫理観」の違いと「気骨」の置所の現実で
なのでしょう、残念ですが。
 どうか、"プレス"が発言することのみを報じるだけの日本のファッションメディアの人は
是非、これを入手して、ご一読、学んでください。

 ファッション界の実態は例えば、ファッションにおける "ダーウィニズム "が
"ファッション・クローン "を生み、これが「ファスト ファッション」や「SPA」と称され、
グローバリズムという新たな植民地主義が "グローバル・ノース "と "グローバル・サウス "を
生み出し、世界をより "二極化 "させてしまいましたね。
 結果、このファッション界も"二極化"した「ハイモード」と「ファストファッション」構造
が構築されただけで、彼らが求める「業欲」の拡大構造は相変わらず肥大化している現実。

 例えば、日本のファッションブランドの世界では、「彼らは年間の総生産数を発表しない。
そして、年間総売上高も公表しない。また、"サブブランド"を作り、年間総生産数をただ、
むやみに増大させているに過ぎないただの自分たち企業の為の強欲ビジネスでしかない。」
もちろん、ファッションメディアは彼らたちの「実際の売上も知らず、在庫残数や納税額」も闇に葬る。

 まだ、この「ファッションの世界」の現実は私が思う「倫理観」がかなり、
希薄な世界でしかありません。

 日本においては多くのデザイナーたちが、何らかの"なりすましデザイナー"であり、
私が出会ったヨオロッパでのデザイナーたちでも「虚飾の世界で、虚飾に生き抜く」
ただ、金にタフな人間が多いのも現実の世界です。

 故に、新たな時代の、新たなファッションの世界のためのクリエーションとビジネスに
おいての"パラダイムシフトには「倫理観」という視点とその認識が、どれだけ不可欠で
必要な世界であるかに目覚める事を提言するのです。
 ファッションにおける、新しい機能性や造形はすでに飽和状態であること。
そして、「ファッション クローン」がどこでもいとも簡単に安価に大量に、素早く製造する
ことができる時代になったのですから、
「何をデザインするのか?あるいは、何を売り込むのか?」をそれぞれが持つ
「倫理観」を根幹として再考することがより、人間味ある時代性そのものなのでしょう。

追記/
 昨年の6月、3年半ぶりに巴里を訪れたが、すでに私が知っていたパリとはファッション・
シーンが大きく変貌してしまっていました。そこで感じたことは、ファッションの観客や
顧客のほとんどが"有色人種"の時代になってしまったと言う事実でした。
 彼らが歴史と共に刷り込まれた「諸コンプレックス」による「ブランドヴィクティム」の
ランウェイであり、ファッションビジネスになり、バニティでしかなくなたようです。
そのために黒人たちが作り上げたイメージであり、そのイメージを使って、もちろん彼らが
興味を持つメインの顧客は「黄色人種」でしかないのがより、現実になったようです。
 香港は中国市場への玄関口であり、今は韓国が新たな戦場ですね。中国が政治的な
地雷原となった今、「円安」に乗じて「夢よもう一度」と日本人の「ブランドヴィクティム」
への再度なる猛攻撃が、'90年終わりを彷彿させるまでに再び始まっているのも現実です。
 欧米の白人社会では「ブランドヴィクティム」は下品であるという「保守」旋風。
ここで再び登場するのが「オーセンティック モード」というファッション観が再び。
 事実このため、「ラグジュアリーブランドビジネス」は営業不振へ落下進行中。
 
これが私が見て感じた3年半ぶりの「パリのファッションの世界」の実情なのです。(完)

文責/平川武治。
初稿/2024年正月3日。

投稿者 : editor | 2024年1月 3日 22:56 | comment and transrate this entry (0)

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