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LE PLI vol.0-no.06/ APRIL 16th '05 Published
部数=60部
頁数=9枚
目次=[collection report]NO CONTROL AIR◆CATWALK SHOW UNDER◆POTTO
[diary]Edwina Horl
pp.02
●collection report NO CONTROL AIR -1
気骨のある服つくりをする野人タイプである。
大阪でデビュし、既に2年。
自分の世界で服つくりを継続するために、自らのショップを昨年持ったという。
東京では1回の小さな展示会を経て、今シーズンは合同展に参加。
建築を学び、ファッションの学習は全て独学。
パターンも自分で全て引いている。
しっかりとした、構築力のある、インテレクチュアルな発想の服つくりである。服に表層のみを求めない人であれば着たくなる何か、一本気な心意気で服を作っている。
この東京コレクション時期に顔を出すデザイナーたち、専門学校で学んだ経験をもっているものも、ストリートから出て来た横丁のデザイナー連中たちもみんな、彼らたちは東京という都市が持ちえた「中間大衆消費社会」の構造が生んだ環境と風景の中へ放り込まれ、結果、「末梢神経」に振り回されて生き延びているようだ。
彼らたちの大半は当然、消費されることに気を使う。
メディアやジャーナリスト、スタイリストたちそして、勿論バイヤーたちいわゆる、業界人たちに。
多分、彼らたちの初心はそうでなくとも、元々自分たちのスタンディングポジションが在るようで無き領域で不明確さに身を委ねて、環境にお利口さんになって順応して行くのがほとんどの彼らたち。
それなりのメディアに露出してしまえば、それだけになってしまって大いなるカン違いしているデザイナーと称する人種たちの今のトレンドな動きは、メンズマーケットが好調だと思えばそこへターゲットを求めて、金儲けを目指して慣れない事を自信の無い世界へ、さも有る様な顔付きで度胸と口のうまさと要領のよさだけでやってしまうこと。「東京・中間大衆消費社会」が生む時代の雰囲気をサーフィンする「オカ・サーファー」たち。
全く持って、カッコいいではございませんか。
(僕が見ている限り、いいとこ、6シーズンから8シーズンで彼らの先輩たちは決まってサーフボードから落ちていることをお忘れなく。)
そんな世界が中心になってしまった今の東京では気に掛かるデザイナーだ。
服が好き、自分の世界観を自分のレベルと自分らしい眼差しと技術で、好きな服で表現するために自らがコストとリスクを張って自分らしく堂々と歩んで来たのが現時点。(ここまでは合格点だ。)
これからはそれらに自分の時代感と美意識をどの様に盛り込むかが、そして、着る人間の身体つきと心のありさまをどのようにデザインしてあげられるかが今後のこのデザイナーの課題。
素材感で挑戦するのか、装飾に委ねるのか持ち前の気骨でやってゆくのか、あるいは、余裕を持って自分の手につけた技術を使ってユーモアやペーソスをも感じさすまでの人間味ある服つくりがインテレクチュアルにクリアティヴィチィ豊かに展開できるかである。
ここまでくれば作る服に品が生まれる。
そのためには良いチームメイトを持たなければならないことも大事な仕事。
このブランドも同じだが、営業のできるチームメイトが必要である。自分たちの初期夢を現実化するにはこのリアリティとしてのビジネスを誰がどの様にやってゆくかが大きな努力目標である。
彼と話をしていたら初期の「セイケ」の清家君を思い出した。
このデザイナーを紹介してくださったのが、「ゴーシュ」の泉君。そして、「ゴーシュ」を紹介してくださったのが「セイケ」。
どうしているのだろう?彼は。
もう、une aventure de la modeには興味がなくなったのだろうか?
NO CONTROL AIR
ショップ&アトリエ/大阪市西区靱本町1-17-5
第1青のビル 1F
連絡先/090-9255-0441 又は、06-6441-4801
pp.03
●collection report NO CONTROL AIR -2
素材感で挑戦するのか、装飾に委ねるのか持ち前の気骨でやってゆくのか、あるいは、余裕を持って自分の手につけた技術を使ってユーモアやペーソスをも感じさすまでの人間味ある服つくりがインテレクチュアルにクリアティヴィティ豊かに展開できるかである。
ここまでくれば作る服に品が生まれる。
そのためには良いチームメイトを持たなければならないことも大事な仕事。
このブランドも同じだが、営業のできるチームメイトが必要である。自分たちの初期夢を現実化するにはこのリアリティとしてのビジネスを誰がどの様にやってゆくかが大きな努力目標である。
彼と話をしていたら初期の「セイケ」の清家君を思い出した。
このデザイナーを紹介してくださったのが、「ゴーシュ」の泉君。そして、「ゴーシュ」を紹介してくださったのが「セイケ」。
どうしているのだろう?彼は。
もう、une aventure de la modeには興味がなくなったのだろうか?
文責:平川武治
NO CONTROL AIR
ショップ&アトリエ/大阪市西区靱本町1-17-5
第1青のビル 1F
連絡先/090-9255-0441 又は、06-6441-4801
開催日:04月14日
ブランド名:NO CONTROL AIR
デザイナー:米永 至
テーマ:Alpenglow
会場:合同展 Space Egde
pp.04
●collection report CATWALK SHOW UNDER
「'70年代元祖、ヒッピー」+「'90年代ネオ・ヒッピー」
=「ファッション・ヤッピー C-21型」
4月14日から行われる合同展示会に出展している32ブランドから担当スタイリストが選びコーディネートして13ブランドの商品をスタイリングをしてショー形式でプレゼンテーションしたのがこの合同ショー。
全てがそうではないが、しっかりとした物つくりがなされた作品が多い。
当然、スタイリング・ショー。
時代感の捕らえ方も的を得ている。むしろ、「東京トレンド」よりも半歩、先を行っている感じがする「ストリート・モダ−ン」。
東コレ組みは安全牌の上でのトレンド、即ち、「みんなで渡れば赤信号である不況も怖くない」的な東京トレンドものが多い。
この合同展では、きっと展示会へ行けば多分、東京的トレンド物も多数出ているのだろうが、こうして合同展全体のイメージをプロパガンダするためのショーという目的だけでスタイリストが仕切ったことによって、実際よりも強烈なイメージに仕上がっている事はこのショーが成功したといえよう。
ソバージュ+グランジェとくれば、「'70年代元祖、ヒッピー」+「'90年代ネオ・ヒッピー」=「ファッション・ヤッピー C-21型」がイメージコンセプト?では、今という時代のキ−・イメージングは?
「Yhees!! The yuppie's dream means Hippy?」
パンツのバリエーション?素材感?そういった視点で見ているとかつて「アバンギャルド」といわれた手法はもう、全てベーッシクに仲間入りしてしまったようである。
全てが満足に行くスタイリングは当事者でさえ無理であっただろうし、当然このショーの上でも、無理をしてスタイリングをしてしまっているものもあった。
だが、ある意味で、現在日本のファッション感度と完成度としてのスタイリングのレベルが見えたショーだった。
僕もこの展示会に行ってみようという気になったのはこのショーという形態でのプレゼンの成功でもあろう。
文責:平川武治
開催日:04月14日
ショー名:CAT-WALKSHOW UNDER
デザイナー:合同デザイナー
会場:青山オービエント
pp.05
●collection report CATWALK SHOW UNDER -2
SHOW ROOM UNDER <合同ショー>
正直、ほとんどのデザイナー名からどんな服を造っている方なのか想像がつかない。その点では先入観もなく見れたので良かった。
セレクトショップの様にコーディネイトされたショーで、どれか1つが飛び抜けているかと言えばそうではなく、バラバラで緩やかなスタイリング。何かテーマやコンセプトの元に集まったのか、それともクラブ好きの人達が集まっているだけなのか。
アヴァンギャルドからコンサバまで一律に並んだ服には、織柄の面白さとあるべきとされる位置にあるもの、そうでないものの見え方の違いが伺える。気付ば、かつてはアバンギャルドな形相だったものは馴染んでしまい、コンサバの仲間入りを果たしていると感じる。
投稿者:T.N.
合同ショーなので、各ブランドが混ざり合い、上手に調和されている部分もあればバランスのくずれる部分もあった。
どの作品がどのブランドかわからない。
パンツに特徴のある物が目についた。僕好みの物が多い。
靴のあるものは、あまり格好良くない。微妙。
投稿者:※問屋.
開催日:04月14日
ショー名:CAT-WALKSHOW UNDER
デザイナー:合同デザイナー
会場:青山オービエント
pp.06-07
●collection report POTTO
The super possitiff porotection with humman skill.
爽やかさを感じ、HAPPYになれたコレクションだった。
東京にも未だ、こういうタイプの若手デザイナーががんばっていたんだというHAPPY感と勿論、コレクション、そのものが与えてくれたクオリティあるその内容とエモーションからの爽やかさとHAPPYの両面。
このコレクションにはファッションの楽しさのルーツが素朴に熱く在った。
何よりも、自由な発想からのスタートそして、オリジナルなアイディア、それらを技術的にこなすスキルと努力。ショーをどの様に自分たち流にイメージングさせるかの感覚的思慮深さがうかがえる。いっぱい、自分たちが楽しんだ結果が多分、見に来た全ての人たちをもHAPPYにさせてくれたんだろう。
グランドコンセプトは「PROTECTION」
ここ数年来の現代社会が抱えた国際情勢や政治不信それに個人の精神的な不安定さから生じる不確実性、不条理性と環境破壊などからの不安定な日常性と未来観を敏感に感じ取った世代が自分たち流に自己防衛するポジティフな発想を好きなファッションの世界で表現し始めた。彼らのコレクションもこのコンセプト。
外敵を機能的にプロテクションし、オーバーサイズ、レイヤード、自分たちのオリジナルなプリントによるカモフラージュ。ベーシックな着心地感はポジティフ・カンファタブル。そのための優しさをプロテクションする一端として選ばれた淡いラヴェンダー、オレンジ、グリーンなど、限られた色彩感と装飾されたフリルによるボリューム感は癒しをも感じさす。これらがインテレクチャルに彼らたちの記号で表現された小さなコレクションだったが豊かな内容のクオリティある大きなコレクションだった。
このコレクションを見終わって僕の中で対比してしまったのが、全てが過剰表層、悪趣味なプリント屋のプロパガンダコレクションと化して、売りへ走ってしまったドレスキャンプだった。いつも想うのだが、不思議であるがコンセプトも有りそうで無く、ただ、ただ表層のみ。見た目としてのショーがカッコよければ全てよし流、このデザイナーが感じる時代のノリの上澄みをアイディア化し肥大化。結果、悪趣味と化する手法のみ。悲しいかな、パターンを引ける技術もスキルも無く、海外のモード誌をめくりながらのキャドヴィジュアルデザイン。従って、ヴォリュームのバランスが日常のドレスに構築できず実際に着た時はその人が美しく見えるシルエットではない。素材そのものが持つヴォリュームと質感をレイアウトしているだけの(フリルとファー、ゴブラン布それに光もののマンネリ化した使い方)モードから「在るべき品」をなくした、遅れて来た古い発想と手法。(これがかえって今、新しいと感じる時代性? 今シーズンもコレクションは見ていません。が、これくらいのブランド・デザイナー分析は可能。もし、今シーズンのコレクションで方向性が変化していれば、ご批判ください。)
ファッションを解った振りする業界人ほどショーのみで乗せられ、勘違いする着せ替え人形的D.C.コレクションは今日のこのPOTTOコレクションとはまさに対峙したもの。
(このように、何でも有りが東コレの面白さ?)
このデザイナーはとてもよいバランス感覚の持ち主。
プリントデザイナーとも腹八分目のコラボ。
彼らたちの人間性が、持ちえたユーモアやオープンマインドが装飾にデザインされ、コレクション全体がポエジックに又、同時にこの世代が思うロマンティック感をいっぱいに漂わせていた。決して、売りを狙った巷のトレンドとしての「クラッシック&ロマンチック」でないのがよい。
今シーズンのコレクションのテーマとなった「Your name is beautiful!」で思い出したのがヒッピー後期の針金細工。
僕がヒッピー暮らしをしていた70年代のロンドンやヨーロッパの路上で日常的な風景になっていた「あなたの名前を針金でブローチにします」であった。
相手を思う心から発したコミュニケーション手段。
こんなところにもこのデザイナーが持っている機知に富んだユーモア性と人間性を垣間見た。
会場の空間演出も好い。
自分たちのプリントで空間の風景をクリエーションし、楽しみながら空間を使った構成と演出はこのショーの大きな役割をも果たしていた。
ここでも先のD.C.の変わらぬ,短絡的旧発想なショー空間の演出と対峙してしまった。しかし、このブランドは展示会ではしっかりと派手&ベーシックラインの売れ線アイテムを出しているところがクレバーさでありバイヤー受けしているはず。
これは今、POTTO も見習うべき現実の一つであろう。
今後の課題は、イメージとしてのショーとリアリティとしてのビジネスの健全なバランス化だろうか?
文責:平川武治
開催日:04月15日
ブランド名:POTTO
デザイナー:山本哲也
プリントデザイン:千家直人
会場:青山スタジオ
pp.08-09
●diary Edwina Horl -1
エドウィナ・ホール
彼女の先シーズンのコレクションテーマが「裸の王様」。
全て、白を基調とした、大胆不敵?のコレクション。
この彼女のコレクション・インスタレーションが彼女の出身地、オーストリアの首都、ヴィエナのセレクトショップ「PARK」で行われ始めました。
インテレクチュアルなコンセプトからしっかりと創作活動をする東京デザイナーが少なくなってきた今、いつも、堂々と孤独に自分の世界で仕事をしている彼女の存在が僕は今、面白く興味を持って見守っている数少ない東京デザイナーの一人。
もう、東京がインターナショナルなファッションステージになっていることの証明を彼女の存在でより興味深いものにし始めている。
海外へ出掛けて、言葉も不自由な素人に毛の生えたようなバイヤーと称する連中が見つけ出すものとは所詮、メディアに犯された、一種の「ブランド志向」のみ。
彼女が持ち合わせたインターナショナルな「ローカリゼーション」的なるテイストとインテレクチュアルな発想によって発表されるコレクションはもっと、日本のファッションを学ぶ若い人たちも見る価値がある。
ノリと気分のビジネスコレクションのみでこの現在のモードを学び語ることは非常に危険なことである。
この「PARK」というセレクトショップはヴィエナに1年半前に出来た珍しい形態のブティック。
オーナーは、多分、あのデザイナーH.ラング。運営はこの街にある工科大学のファッション科で先生をしていた元、アントワープアカデミー出身の先生とボーイフレンドのゲイカップル。このブティックをバックアップしているのがこの國の文化庁直属の「UNITE F」。
従って、このブティックにはこの学校で学んだ若いデザイナーたちのものと巴里で仕入れられたデザイナー物とがセレクトされて売られている。
羨ましい限りのこのアイディアと実行力と速攻化。
「豊かな国」日本ではこんなことは必要ないのだろうか?
文責:平川武治
PLOFILE
Edwina Horl エドウィナ ホール
オーストリア生まれ
ザルツブルグにて自身の創作活動を開始 1989
ヨウジ ヤマモト本社アトリエに在籍 1991-1993
大阪でコレクションを発表 1995
ウイーンを活動の中心とし、ウイーン芸術省主催で
コレクションを発表 1996
パリのサロンにて展示会を開催 1996
サラエボにて開催されたファッションショーに参加 1997
大阪コレクション参加、東京にて展示会を開催 1998
ウイーン、パリ、東京にて展示期を開催 1999-
渋谷にスタジオをオープンし、
東京ーウイーン各都市にて制作活動を行う 2000-
【服とは安心感を与えるもの。身体と服とが一体となって立体となる。
タイトなものであっても軽快で、毎日の生活がポジティブになるようなもの。】by Edwina
Edwina H嗷l の洋服は、ヨーロッパの伝統、アラブの香り、アジアへの憧れなどが混在し生み出されていく。
独特なコーディネートによって表現されたファッションは、新しさと懐かしさを秘めている。
連絡先;プレス;DISCIPLINE/03−3466−7761
www.edwinahoerl.com
pp.11
●パリコレ速報紙「FRENCH CANCANS」より抜粋
AtoZ
投稿者 : editor | 2005年04月16日 18:30 | comment and transrate this entry (0)