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LE PLI vol.0-no.03/ APRIL 11th 12th '05 Published
部数=28部
頁数=8枚
目次=[collection report]G.V.G.V.◆DRESS CAMP◆TAKEO KIKUCHI◆yuma koshino
[diary]パリ速報フリーペーパー「FRENCH CANCANS」より
pp.02
●collection report G.V.G.V.
Basic,Lux. & Confortable
このデザイナーはいわゆる「服つくり」がしっかりと出来るスキルとハートを持ち、デシプリンされていることを感じさせてくれるショーをした。これは当たり前のことなのですが、実際の東京のデザイナーを見ていると案外、中途半端なスキルと学習それに度胸と自我でデザイナーになってしまったタイプが多いのが東京の現実なのです。
ある時期、日本を代表するファッション教育を施している機関即ち、学校が'85,6年のDCブームを機に'80年代後半のバブル期を頂点とし、メディア化され始めたファッションイメージの表層を服つくりの発端とした教育方式を持ち得てしまった事。そして、デザイナーというその時代の寵児的憧れの職業として多くの学生を簡単に世に送り出した時代以降の後遺症であろう。
細身のトップスとボリュムを持ったボトムスの組み合わせによるベーシックでクラッシクなシルエットを現代の雰囲気にチューニングして望んだコレクションでした。頭のよさか「ベーシック−アイテム、リュックス−素材・シルエットそして、カンファタブル−分量感」というここ、3年来の市場を読んだキーワードで落とし込んだもの。結果、穏やかで中流の上品さを感じさす今年のトレンド?「クラシカル&ロマンティック」な婦人服になっていた。
自分たちのデザインした服は着る女性たちをどの様なタイプの女性に仕立て上げたいのか? 又は、着る女性へ委ねるだけなのか?
モードは身体だけの拡張から心の拡張即ち、「心体拡張」のためのコードとしての衣装になってしまった。だから、現代は作り手が持たなければいけない何かが必要な時代ともいえる。 −内面性?豊かさ?セクシーさ?自立性?活動的?社会性?時代的?外観的?愛・・・・・・
終わってみると、総体的感が強く、ある一つのトーンのみでハーモニーまでを作ってしまっているかのように感じてしまう。
一つでも何か、張ったりでも、ズッコケでも、自らの反対側を思い切り遊んだビートが在ればより、エモーショナルになっただろう。これでもハーモニーが変わらなければより、深みなコレクションになっただろう。
文責:平川武治
開催日:04月08日
ブランド名:G.V.G.V.
デザイナー:MUG
会場:国立霧が丘競技場
pp.03
●collection report Dress Camp
先シーズンに続いてのビジネス志向の売れ線コラボレーションによるカジュアルアイテムに始まり、ドレスにおわるというショー構成やコート地にウールやファーを、ドレスには薄くて柔らかい素材を、という素材感を殺さない常識的な生地使いにデザイナーの平凡な真面目さを感じた。
音楽による演出、多数のゴールドパーツ使いから、80年代から90年代のバブリーな悪趣味へのきらびやかさを思った。
観終えて印象として2005 SSと似た、「ノリのコレクション」という雰囲気という感想が残るのは何でだろう。色とか柄とかをふんだんに使う事によってもっていくショーとしての見栄えは、シーズンが変わっても毎シーズン、似たように見えてしまうものなのかもしれない。コレクションテーマの奥に、デザイナー自身の、ものつくりのテーマ(柄や形、価値観をどうしたいのか等)が在るか無いかにもよって表現が変わってくると思う。(が、それがあるのだろうか?)
このデザイナーにゴールドと柄を使わないで表現して、と言ったらどんなものが出来てくるのか楽しみだなと思った。
投稿者:K.H.
開催日:04月08日
ブランド名:Dress Camp
デザイナー:岩谷俊和
会場:ラフォーレ・六本木
pp.04
●Show Music
ブランド名:TAKEO KIKUCHI
デザイナー名:信国太志
製作:Smith&Hole(London) 他のコラボ・メゾン:P.スミス 巴里コレクション等。
1. Space Fantasy / Isao Tomita / The Tomita Planets RCA VICTOR
2. Walk in the Dark / Whitey / 1234 records
3. Engineers / Gary Newman / The Pleasure Principle
4. Space mix / Isao Tomita / The Tomita Planets RCA VICTOR
5. Missing song
6. To much love / LCD SOUNDSYSTEM / LCD SOUNDSYSTEM
7. How could I forget / The Faint / Wet from Birth
8. No Wow / The Kills / The Kills Domino Records
FINALLY. / Don Dorsey / Bachbusters
pp.05
●diary II
パリコレ速報紙「FRENCH CANCANS」より抜粋
今シーズンのパリコレに現れたファーについて
pp.06
●The Realty is one-way only.
But, the Mode is always reversion.
pp.07
●collection report Dress Camp
服は残念ながら良く見えず服そのものについては折角の機会だが、書けないが、デザイナーのコレクションというよりもアパレル産業の発表会という感じがした。会場はラフォーレミュージアムの中に斜めに白いランウェーが置かれ、それにそった階段状の客席が置かれただけである。その階段いっぱいに元ファッション学生らしきとファッション学生そのものの群衆が群がっていると言った状態だ。
会場の空間構成もいつも同様・類似、会場が変わっても演出も変わり映えしないのであろうか、ショーコンセプトが感じられない(?)ちらりと見た服が別段新しいものを提示しているようではなかった。
会場も含め、九十年代初め頃の日本のファッション業界の匂いをトレースしたようなショーだった。招待客とおぼしき人の中にはファッション業界と水商売を掛け持っていそうな日本的今様「セレブ」が多かった。
そういう層にウケる戦略をとるのならいっそプレゼンテーションする場所に金をかけ、雰囲気作りをした方がより効率的なのではないか。
不思議だったのが群がっているフアッション系学生とセクシー系の招待客が同じものを見ているということだ。コレクションなら何でもいいのだろうか。メディアでの露出度が多いことが良い服という彼らたちの教養レベルとファッションに対する憧れ度それに、ルーツは同じなのだろう。
そんなコワイ、ファッションビクティムに反対に乗っけられているのはファッション・ジャーナリストたち。
彼らたちで満員だった会場。
(次は学生の後ろからではなくセクシー系のお姉さんの側から見てみたい。)
投稿者:松崎 YOSHi
開催日:04月08日
ブランド名:Dress Camp
デザイナー:岩谷俊和
会場:ラフォーレ・六本木
pp.08
●collection report yuma koshino
全体として少々ちぐはぐな印象であった。ジャパニーズオリエンタルとロマンティックエレガンスが主な構成要素だったが、これらの要素はデザイン的な特徴や方向性が全く異なるものだし、時代を表す記号として考えてもそれらが表象する時代性は全く違う。もっと言えばジャパニーズオリエンタルを好む購買層とロマンティックエレガンスを好む層はかなり異なる。したがってこれらを再構成するのはかなりむずかしい。それにもかかわらずあえて二つを混ぜ合わせる所にデザイナーの事情が垣間見える。
ジャパニーズオリエンタルとロマンティックエレガンスを穿った言い方で置き換えると「経営母体のカラー」と「今風の流行」と言うことができる。しかし、そもそもこの二つは相容れるものではない。経営母体のコシノヒロコは今やオバサマ族のためのブランドで、けして流行を追う会社ではない。コシノヒロコのスタイルとしての「ジャパニーズオリエンタル」はもはや形式であり伝統芸能のようなものだ。そして購買層はそのヒエラルキーとしての形式と安心を買っているのである。そこでは決してほっそりとした淡い繊細なラインは求められていない。また、ロマンティックエレガンスを好む客はいるがそういう客は他のブランドの服を買うだろう。なぜなら、そうしたものを好む購買層にとってジャパニーズオリエンタルはむしろ余計だからだ。小篠はこうした構造に気づいていないのではないか?自分の服が誰に向けて発信されているのか、誰が買うのか?それは客席の顔ぶれを見れば一目瞭然であるのだが。
投稿者:松崎 YOSHi
開催日:04月11日
ブランド名:yuma koshino
デザイナー:小篠由実
会場:LA VOIE LACTEE
会場:菊池寛美記念 智美術館内
会場:空間環境がすばらしく、興味をもった建築
投稿者 : editor | 2005年04月12日 16:23 | comment and transrate this entry (0)