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或るファッション学生への手紙。/ 少し前の、Gallery FAKEでの作品展で。

 わざわざのメール、ありがとう。
その後、機嫌良くやっていらっしゃいますか?
僕はあなたの作品が好きでした。
あの中では僕が感じた一番正直な真面目な作品で、勇気がありました。
レベルの問題等はいろいろあるでしょうが。

 初対面でのあの様な発言、少し唐突であったようですが、
あなたの持っていらっしゃたご自分の夢に対する”勇気”と“本意”が感じられたので
僕もうれしくあのように喋ってしまいました。
僕流に言えば、大半の人たちが”烏合の衆”。
言われた事の範囲のなかでやっている程度。
それっぽい所でそれっぽい事をして、
そのレベルで”自己満足”または“自己肯定”をして
お互いの”傷”を舐め合っている様な奇妙なレベルと環境でした。
僕の一番嫌な世界。(そのために200円にディスカウントされた飲み物、チープですね。)
 
それに、あの空間自体に美意識も与え無く、
それぞれの”勇気無き自己肯定”がひしめき合っているだけ。
だから、いらした、例えば、あなたのご家族のように”学園祭のノリ”レベルに捕らわれる原因でしょう。
(まあ、学園祭なのですがね、多分ご家族はもっと違う所のレベルを想像なさっていらしたのでしょう。)
 知性と気概を持ってそれぞれの責任を果たして日常生活をなさっている人たちの眼を馬鹿にしてはいけません。

残念乍ら、すべてがあの学校とやらに携わっている先生と呼ばれている人たちの
”なま/生”が良きも悪くも出ているだけの現実というのが僕の眼差しでした。
個人の経験を売りにするのならその経験の継続とディシプリンと
人間としての”生”への考え方としての”本質”を問う迄の”好奇心”が大事でしょう。
その”本質”が甘いのでしょうか?
その”好奇心”がないのでしょうか?
又は、そう、思想がないのでしょう。
何か後ろに、或る種の”下こゝろ”を感じてしまいました。
これは、教える側にも教わる側にも。


 さて、あなたの作品についてはあの時にいろいろ話した事で充分ご理解頂いていると。
もう一度,『人間の拡張』/『Extensions & Expansions of the human Body』を!!!
これからの人間が遭遇するまたはしなければならない、
持ち得なければならない環境と状況を、生活シーンを考えての
あり得るべき”人間”としての可能性を夢を。
”ボディというロマンティックな世界へ”委ねて下さい。
(今を見ているだけの人はここにトレンドが気になるのです。)
 
 もう、男、女のレベルでの問題意識の時代の盛りは過ぎました。
今の21世紀に僕たちが考え思い果たさなければならない事は
「人間と人間性」とその「新たな役割と責任」そのための環境と社会を思い合う事。
その時に『分かち合い』のこゝろがやはり、20世紀と違って大事ですよね!!
そこで、新たな『身体の拡張』性/『Extensions & Expansions of the Body』が一つのヒント。
しかし結局は、”人間の身体が、こゝろを、時間を、思想をそして、夢を、”
【着る】ものが『服』ですからこれしかないでしょう。
ここに行き着くはずです。

 望むべき環境と社会との『Extensions & Expansions of the Body』の
一つのシンボルンまたは、コードとしての『ストッキングを素材に』
どれだけの両義性を持たせるかによって「服」そのものに深みと広がりが出て来る。
その“両義性”を何によって、どのような素材または、コンテンツと
どのようなテクニックを使い合わせられるか?などによって表現する、
そこに”創造性”が発芽する。(ここでリサイクルストッキングを考える事は、案外時代性の一つでしたね。)
それを形に出来るこゝろの想いと技術が最後に製品にする。
そして、始めて自分以外の他者に関われる。
関係性が生まれる。
自分の造った物によって!
ここに“気概”が生まれ
それぞれがポジティフな関係性と行為によってエントロピーが働く。

 このプロセスをもう一度あなたのピュアーの眼差しと勇気でもって
ご自分の学び持ち得た世界観でお考えになって下さい。
理屈は後付けでいい時代性です。
今始めれば、大丈夫です。(”プロパガンダ”をご存じなかった程の純粋が残っていらっしゃったあなたですから。)
未だいっぱい、あなたはあなた自身の時間と勇気を持っていらっしゃるのですから。

 夢を持ち続けて下さいね。
"Just Do It!!
And Never Give up!! through your force & body for  human beings”

 ありがとう。
あの場所で、あなたが一番勇気があったので
此の様なメールを差し上げる関係性が生まれました。
残念乍ら他の人たちは(もう一人いらした、)
あなたが持っていた”自分の夢に対する責任感と勇気”が無く、
唯、在るように見せるためのコンセプトや理屈や恰好付けを、
そんな立場を作っているに過ぎない,
ファッションごっこに戯れる
只の古いタイプのファッション人間たちに憧れている輩?

 例えば、「星の王子様」。
日本人が大好きで一度は読むものでしょう。
もう一度読み直す事も良いかも。
『むやみに、大人ぶる事に煩わされてしまって、かつて子供だった事を憶えている大人は少ない。』
と言う様な事があの物語のコンテンツだったはず。
そして、王子様が置いてきぼりにした一輪のバラの事を想い出すこゝろ。
ここに『分かち合い』や『想い合い』の本質が、共棲精神が。

 風と行き来をし,雲からエネルギィイを。
ご自愛とお励みを。
文責/ひらかわ:

投稿者 : editor | 2010年06月15日 00:07 | comment and transrate this entry (0)

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