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ルプリ by 平川武治 JFW 東京コレクション‘07 S/S評論速報

Le Pli Diary ‘07 S/S by Take.Hirakawa 
05/Sep.;
mintdesigns
勝井北斗+八木奈央
『That’s fany show but,so original & so mintdesigns.quarity.』

確実に成長している、上質なコレクション。
このブランドらしさにある種の自信が附き始めて来たコレクション。
彼らが持ち得たスタンダードと学び修練してきたファッションの基礎はそれが当たり前であればあるほどに今の日本の表層でむやみにメディアに騒がれている若手デザイナーたちには欠如している部分である事が解かる。多くの彼らたちの作品からはベースになる身体を想い考えたコンストラクションが借り物であること、その上にディテールを貼り付けているだけのフォルムやシルエットでしかないことを感じる。この装飾性の表層部分で多くの見る側をフェイクし、それをトレンドだと勘違いした所での評価が現実であることも多い。

 ポップでオプチカルなプリントで遊ぶ。
今回もこのブランドは自分たちらしさの大きな一つであるプリントを大胆に楽しく爽やかに心地良く遊んだ。いくつかのパターンのサロペット、軽く覆うかの分量での軽やかなワンピースもレースをボーダーカットされたテープを作っての優しさの表現はこのブランドのカジュアルさを少し上品に引き立てる。これらはこのブランドが得意とするフォルム群の一つでもあろう。前半のアルルカンを感じさすカットソーがメインのコレクションに代わって、後半のシルク地のプリントものにはエレガンスな趣きさえも感じさすまでのプリントとの遊び。着る女性に上品さを与える。美しいフォルムとシルエットになった胸元の切り替えのカットワークが幾何学的なワンピースが美しく仕立てられ気になった。こんな所に彼らたちのスタンダードのレベルを感じる。

 一つ、僕的な注文をつけると、もう一歩踏み込んで着る人たちの身体と身体つきに今回の彼らたちのポップなオプチカルプリントを委ねてみればもっとこのブランドが新しく見えたはず。
いわゆる、布の裁きだけでこれらのプリントを委ねたデザインでのプリントの揺らぎは表層のカバーリング。しかし、思い切って身体に委ねてしまったときのプリントの揺らぎは着る人が生み出すモアレになりもっと、時代観を感じるまでのプロテクションになろう。平面的な布の上で見せるプリントの遊びと立体の上での遊びではその遊び方のコンセプトが違ってくるからである。文責;平川武治

mercibeaucoup
宇津木えり
『自由? OR 不自由? 』

 今回もこのデザイナーらしさ120%の楽しさを痛快に見せてくれたコレクション。

彼女の呼吸は東京呼吸?
ノイジーな環境に慣れてしまったノイジーな人たちを癒すにはpink-noise。
その中で必死に捜し求めるエモーション。
その行為とは、例えばそこが東京であれば自分たちが東京ノイズを発信。
飛び跳ねる、あがき回るそして、思わず、ノイズのためにひっくり返るマヌカン。
立ち上がる様のなんと人間的な行為。
その時、服は女服になる。
同化したノイズは刷り込まれたプリント模様。
バランスで組み立てられたボリュムはプロテクション。
分量が転がる、走るそして、転ぶ、これが遊び。
環境とは身体を生かした遊園地。
そこでは、本能は無限な自由。
或いは、不自由。
エモーションだけが知っている本能の正体。

 移籍後はプリントのバリエーションが新たな世界を生んでいる。
既に、見慣れたアイテム群の中にこのデザイナーのとんでもない旨さを見てしまう。
それらは分量のデザインがマスマティックな仕掛け服。
そして、コーディネートの旨さは彼女の世界を広げている。
本当に彼女らしさのコレクション。

らしさはらしさ。
時代の風向きは少しずつ、性そのものをプロテクション。

コレクション会場で彼女のようなヘヤースタイルをしている観客の幾人かを見かける。
文責;平川武治

ATO
松本与
『SWEET ROCK’N ROLE』

 幾つかのタイプがミックスされたコレクション。
その分だけこのブランドのアイデンティティは薄れる。
Romantic野郎はプレスリーバラードが男の子たちを恥じらいへ誘う。
シルクジャガードでフリル、ボー、ベストはクラッシクにピーコック。
スーツな洒落男を装うマッチョ野郎はロックンローラー。
シャープなカットのスリム・ジャケットはこのブランドの定番。
シーズンが感じられないミス・ダンディズムはミュージュック・ダンディズム。
ヤンキー野郎はシルバージュエリーと墨が似合う。
見せない墨を感じさすまでのおぼろげな黒。
紡毛を使った鎧は彼らたちのネオ・コスチューム。
レザーをサッシュに使った同類のパンツとGジャケット。
彼らたちはプレスリーを知らない世代?
文責;平川武治

投稿者 : take.Hirakawa | 2006年09月06日 05:41 | comment and transrate this entry (0)

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