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ルプリ by 平川武治 JFW 東京コレクション‘07 S/S評論速報

06/Sep.;
Le Pli Diary  TOKYO Collections‘07 S/S by Take.Hirakawa 

HISUI
伊藤弘子
『身体と布地との感情関係をどの様に構築してあげるか?』

 もう結構、幾シーズンも見てきているこのデザイナーのコレクション。
その度に、器用なのか、不器用なデザイナーなのかがいつも不明。判断が付けられない。
よくよく見てしまうと、いつも終わって感じてしまうことは『何のために?』デザインをしているのだろうか?服を作っているのだろうか?とも考えてしまう。多分このデザイナーも本当に服が好きなのか、何か、自分自身のための創作活動の一端としてそれがたまたま、服をデザインすることなのか? この辺りで迷ってしまう。

 今シーズンは又、結構難しいコンセプトでデザインをしてきた。
多分このデザイナー的に時代を感じ、想いそして、周りをも気にした結果、ジオメトリーとしてのサークル・パターンを、そして、身体を拘束するという発想からのプロテクションとしての捻りのトップスやボトムになったのであろう。しかし、美しくない。身体が美しく見えない。又、今の時代的な感性で言えば、決して、エレガンスには仕立て上がっていない。着る女性への想いが感じられない。作る側の発想のみが見えてしまう。
その原因は、思い込みと理屈からの発想が大きいのであろう。いわゆる、手が、技術が付いて来ない。
いろいろな情報とお勉強でこのデザイナーはやりたい事がいっぱいある人なのだろう。そういう好奇心や挑戦心が旺盛な人なのであろう。だが、昨日のmintdesignsの欄で書いた、デザインをする上での最も基本とするところの『スタンダード』が甘い?身体を美しく見せることとは? 肌をただ、多く見せる事がセクシーさでもないだろう。身体と布地との感情関係をどの様に構築してあげるか?そこで初めて着る人の身体つきと布との間にエモーションが生まれるはず。もっと、もっと手前の所で弄くっているだけの結果、着ている女性の身体と服化されている布地がいわゆる、そぐわない。心地良さやそこから感じさせる品の良さも感じられない。そのために、身体が美しく見えない。もう一度、根本的なる本質の部分からデザインを手なずける事をしなければこのデザイナーの持っている癖は直らないのかもしれない。文責;平川武治

投稿者 : take.Hirakawa | 2006年09月07日 03:10 | comment and transrate this entry (0)

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