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Paris Collection‘09 S/S コレクション覚書;『 揺らぐ身体-Illustion/Delusion-Reflections 』

初めに、いつも読んでくださって、ありがとう。
前回の『巴里・コレクション』を軸に時代を感じ取ってみる行為を僕のサイトで数回やってみようと。
今回はその第1回として、目次的総括から。

『 揺らぐ身体-Illustion/Delusion-Reflections 』
 序文;
「 室町時代の武将たちは競って、自分の屋敷の庭に池を掘り、鯉を飼い放すことが所謂、流行りものになった。」
彼らたちは池の鯉の何をそんなに自慢げに観賞し喜んだのだろうか?

 思わず、今シーズンのパリコレを見ていると、こんなことを思い出した。

その答えは、「泳ぐ鯉の肌の色、例えば、緋色、銀色、金色などの鯉の肌の色が泳ぐ水面に反射してその肌の色が美しく揺らぎ、微妙な色彩感覚と文様を周りの自然に対して映し出す、その様を観賞したのです。」
 この様な,繊細でうつろいある四季感覚を観賞吟味できうるのは日本人だけに通じるすばらしい美意識の一つで僕はとても気に入った好きな話として覚えています。

さて、今シーズンのコレクションでは、着る女性たちの身体がより、『新鮮』に輝き揺れ動く様を、楽しげに、エレガンスに、生き生きと、不安げに、でも、力強い女を表現したかったのだろうか? ということを感じさせてくれたシーズンでした。
そして、そんな彼女たちが委ねたい時代の雰囲気、そのものをより、新鮮に魅力的に揺り輝かしたいというのが僕のコレクション観でした。
そこで、このタイトル 『 揺らぐ身体-Illustion/Delusion-Reflections 』 
というボキャブラリーを現代の『時代感』として提案します。

そして、結論的には、「時代は新しいものよりも新鮮なものを要求し始めています。」

[一つの現実。]
パリ・コレ発の『トレンド』の賞味期限の鮮度がかなり落ち、久しくなり始めている。
今シーズンコレクションで見られた幾つかのトレンドもここ2,3シーズン以前からの継続トレンドが主流だった。

例えば、その代表は『フラワー』そして、『アフリカ』。もう一つは『円/サークル』と『ジオメトリー』が今シーズンも解りやすく続いていた。
 
大半のデザイナーたちはこの『継続トレンド』と呼ばれる賞味期限切れの範疇で自分らしさをデザインしている。したがって、トレンドが賞味期限切れであってもそれが消費者の心を捉えればそれはそれで良いという時代性になり始めたということであろう。
ここではデザイナーやブランドの力量として『It‘s a everything so special』を見せてくれさえすればそれなりのスペシャル・プロパープライスでも仕方ないであろう。 が、世間並みのというよりも、トレンドブック並みのトレンドであれば、ファッションに薀蓄を吐く輩たち、消費者はついに進出してきたH&M辺りか郊外型アウトレットモールでデズニーランド気分宜しくの週末お買い物のほうが楽しい。
ここで、現在の東京は新たなファッション都市構造が構築されたといえるであろう。
都市の中心部はブランド・イメージのショールーム。毎シーズンの流行モノをイメージよく情報発信機能のみになってしまったショールーム化。
ここでの売れるもののキーワードは『スーベーニール』。みやげ物感覚で工夫されたガゼット類がメディアに取り上げられてお気軽に。そして、肝心のお買い物はヴァーチャル市場と都市周辺部に要塞の如くに出来上がってしまった在庫処理機能とアミューズメント機能を併設したアウト・レットショップ群。物欲肥大症の買い物上手症候群たちへの新たな気概はこの方向へしばらくは流れるであろう。(先シーズンの巴里ではあのCdGが旅行者たちが行き交う界隈、モンマルトルとマレ地区にスーベニア・ショップを2店舗開店した。*)
 この現実の変化は消費者たちが持ちえた『豊かな生活』とその豊かな生活の継続化および、『もっと、より豊かなる生活』をと言う欲望に対しする『気概』の表れが招いた新たな消費社会現象であろう。
 
*pocket Montmarte/ 17 rue La Vieuville 18e:
pocket Marais / 31 rue Debelleyme 3e:

第2回目;
[もう一つの現実。]
かつての6,7年前の東京・シーンが、やっと、世界的な現代社会の一面となる。
『誰でもがお手軽、お気軽にイメージを造れる生活環境。』

第3回目;
[50年、40年そして、20年。]
CACHAREL, Sonia RYKIEL, ZUCCAそして、Maison MARTIN MARGIELA

第4回目;
気になったデビュー展』;
『 no editions 』 from N.Y.
『 Gurath Pugh 』(ANDAM‘08受賞)from London.

第5回目;
 [H&Mは本当に、そんなにすごいのか?]
『H&Mの実質戦略を読む。』

第6回目;
‘09 S/S: 幾つかのキーワード; 『Reflections 』
【‘80年代終わりから、’90年代初めへ】;

第7回目;
終わりに、
文責;平川武治/巴里市モントロイュ街55番地にて、晩秋:

投稿者 : take.Hirakawa | 2008年11月26日 12:11 | comment and transrate this entry (0)

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