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“モードにおける新しさは進化している。−2” [MEKERS]と”Iris van Herpen”。

“モードにおける新しさは進化している。−2” 
 昨年の12月の話、
ANREALAGEの出版と展覧会記念で渋谷PARCOで行われたトークの会での
僕の発言がもう既に世界レベルでは、時代の新しさを生み出した。

 *
 その日の僕のデジュメをここに紹介しておく。
 『 僕の見つけた新しさ。/ひらかわたけじ:平成二十四年十二月十五日:

1)マイノリティたちの“nation identity"が情景化し始めた。
 ユダヤ教を信じている正統ユダヤ人たちの民族衣装の日常化と
 マグレブのニュージェネレーションたちの民族衣装の日常化。
 ファッション広告に現れたイメージとしてのユダヤ人。
 ここで,完全に”The image no more making a realty.
The realty making a image."という時代性が日常化し始めた。
参考図柄/
映画"NewYork,I love you."から、N.ポートマン、
―マグレグニュージェネションズの民族衣装の日常。
ーD&Gのグラスの広告写真。

2)もう一つ,感心した新しさ。
巴里のそれなりの路上に於かれた”リサイクルボックス”。

3)巴里で出会ったモード誌、“vestoj”
北欧からの南下組たちが作っている本。
http://www.vestoj.com/

4)なぜ、「秋元康の一人勝ち」か?
 AKB48の登場とそのイメージング。
ー此処で”ギンガムチェック”の駅ばりポスター。
日本の豊かさの後の、豊かさを象徴するものはこれであろう。
彼らたちが完全に従来の戦後日本のエンタメ世界のビジネス構造を変革させた事。
 これが現在、日本社会の豊かさのシンボルンであり,日常性となった。
彼の発想の根幹には、
―発想の違い。/ここには江戸時代の『大奥』の構造仕組みが読み取れる。
―時代の読み方の新しさ。/誰でもがそれなりのことが出来る豊かさの現れ。
             誰でもがデザイナー、アーチストという時代性。
―構造としての”情報社会”を熟知している。/構造の強さと脆さ、生身さを熟知している。
―それを新たな”コンテキストと構造”によってメディア化した現実。/リアリティの集団化。
 それによって,”秋元康”は現在のエンタメ世界で独り勝ちしている。

5)新刊『MAKERS』21世紀の産業革命が始まる/クリス-アンダーソン著;
 3Dプリンターを使う事によって出来得る新たな可能性。
 作り手と消費者の距離と際を完全に超越出来る事を示唆した入門書。
http://pr.nhk-book.co.jp/makers/book
―「今時は全員がインディーズなのだ。」
―「これはアマチュアのルネッサンスなのだ。」
―「機械化された手工業」
―「ハードウエアーはソフトウエアーになりつつある。」
そして,「ゴールドやシヴァーという色はもう特別な色では無い。」
 POINT/
ここで、“豊かさ”によってもたらされた新しさとは,
「みんなが作り手。」であり、
「全員がアーチスト又はデザイナー若しくは書き手。」
此処で“THE REALITYの新しさ。”を熟知する事。


6) 「秋元康の一人勝ち」+「機械化された手工業」/3Dプリンターの登場
 =新たなファッション産業の手工業化。
 ここで、『新たなアパレル構造の構築化。』

7)結論的な事、
 僕の本心は,
若い人たちがより,“自分たちがやりたい事、世界観”で
実産業へコミット出来るか?コミットして欲しい。
そして,社会に寄与可能な自分世界を持って欲しい。
その大いなる意志を持ってほしい。
『現代という時代の豊かさの現実とは、もう既に,誰でもが,
デザイナーぶったり,アーチストぶりたいのが当たり前である時代。
GOLDはもう特色ではないという事。』
従って、この豊かさから生まれたリアリティの”新しさ”、
『もう,誰でもがデザイナーであり,アーティストである時代という新しさとは,
誰でもがそれ何の手順を踏めば,何でも作る事が可能になるということ。』
この新しさを日本の低迷中であるアパレルが芯激に受け止めて
新たなコンテキストとコンセプトを持って”ファッション産業”に寄与する為の
産業革命を興すべきである。/”第3次産業革命”のための発想と妄想。

8)読んでいて不思議と今の時代観とチューニングした本。
『虚空の彼方へ』A.ロース評論集/A.ロース著/
http://www.acetate-ed.net/bookdata/021/021.php
 僕がアパレル後,この世界、モードッ評論への切っ掛けになった
建築家,A.ロースの評論集の翻訳本が出来た。
19世紀末から20世紀初めに書かれたもの。
不思議と今の時代観にチューニングされ,読みがいがあった。
此処に書かれている事を現代という時代性の螺旋階段に仮想すれば
例えば,現代日本のファッション世界へその異差をチューニングすれば
いろいろ,学ぶところがある。

 *そして,皆さんが可能な一番新しい社会を,リアリティを生む為にも明日の投票には是非!!『リスクある決断』を。

 *オマケ/+α-
"The Modern Art means?"
 "Art is defined only within the story called Art History.
Artifacts shown at this exhibition are not works of art.
They are rather souvenirs, selected specimens of our collective memory."
–Walter Benjamin

 One day, long long ago, when young Alfred Barr, Jr. was in Paris, he visited Gertrude Stein in her Salon. During the conversation, he told Gertrude about his plans for establishing the Museum of Modern Art in New York. Puzzled, she looked at him with a smile: "That's nice, but I don't understand how it can be both a museum and modern."

 Clearly, the name Museum of Modern Art was an oxymoron, and Barr almost certainly did not have a ready answer. It took him several years of a bumpy ride on the "Torpedo in Time" to realize what the Museum of Modern Art was going to be. It was the 1936 exhibition Cubism and Abstract Art and the now-legendary diagram on the cover of the catalogue that showed Barr the way.

<これがその会のために準備したデジュメ。>


 **今年になって興った”リアリティの新しさ”そのー1。
 今年の経済雑誌”東洋経済”誌の年頭特集に
この新刊、『MAKERS』/21世紀の産業革命が始まる/クリス-アンダーソン著;
PCと3Dプリンターを使う事によって出来得る新たな可能性が特集化され、
その現在地点と今後の可能性が報じられた。

 そして、その次は、
 僕が考えていた3Dプリンターによるモノ造りをこのファッションの世界で
試みたデザイナーがもう既に登場した事である。
 先月行われた巴里のクチュールコレクションで、
『オランダ出身で現在はロンドンを拠点にしているデザイナー、Iris van Herpenが
アメリカの3DプリンタメーカーのStratasys、CAD ソフトを開発・提供する
Materialiseの3社がコラボレーションを行い、パリ・ファッション・ウィークでのオートクチュール・ショウ「VOLTAGE」にて3Dプリンタで出力したドレスを披露した。』
http://www.irisvanherpen.com/
http://vsmedia.info/2013/01/25/iris-van-herpen-3d-printed-dress/

 彼女はオランダのアーネム卒業、僕も彼女の卒展では審査をし、
その後の彼女の世界の作り方に興味を持っていてリー-マックイーンの後、
幾度か会って話しをした事のあるデザイナー。
 以前僕が論じていた、”『もうミシンと針と糸で、』の世界ではない服作り。”に
やはり登場させたデザイナーである。
 ファッションの世界でこの時代の新たな流れは今後どのように
”巴里のモードへ浸透して行くのか?
ただの”プロパガンダ”で終わってしまうのか、”立ち居場所作り”で終わるのか、
それとも、アメリカのこれらの新産業が新たなモードの地平線として、
可能性ある新たな”モードのキャピタル”へ向けたプロローグか?
確実に、歴史的に見ると従来の”巴里”は決してこれをウエルカムはしない。
単純に、“特意性”としてその立ち居場所を与えるが正面玄関は開かない。
ここが”巴里のモードキャピタル”の恐ろしさで有り強かさで有り弱みでもある。

 何れにせよ、これが今後どのように進展して行くのだろうか?は見応えの在る
モードにおける、一つの新しいシーンであろう。
ここには大いなる可能性が僕たちの國にもある。
そして、新たなファッション産業への寄与が存在するであろう。
これに依って閉塞化した”アパレル産業”のリノベーションと生産構造の再生が読める。

 僕が考えていたPC+3Dプリンターによるモノ造りは”日本アパレル産業”への
何らかの救世主になるという眼差しで在るり、その根幹は”1ブランド、1デザイナー”
という構造の必然性が無くなる時代性を予告している。

 ここにもう一つくわえる新しさとは、『ARCHIVES』がある。
これはVACANTの会で話そう。
相案相忘。
文責/平川武治:

投稿者 : editor | 2013年2月13日 19:16 | comment and transrate this entry (0)

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