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モードから読む”裏と表”−3;

 パリ-コレA/W’14トレンドという名の『表と裏』
『世界は騙される事を欲する!』/Sebastian Brant;15世紀ドイツ文学者「阿呆船」より、

 「もう、僕が見ていた眼差しからはモードの世界はどんどん遠くなってゆく。」

このところの日常は、決して幸せな事ばかりではない。
知らなくていい事を知ってしまう。

明日も幸せな日だとは信じられない。
何を求めてよいのか迷ってしまう
その比較項も無くなり始める。

夜空から星が一つづつ消え去るように。
まるで、あのA.C.クラークの書いた
『天の向こう側』(1958年)の冒頭の如きを思う。
満天の星空から一つ一つ星が消えてゆく。

こんな時代に、
大金持ちは何をするのだろうか?
何をしたくなるのだろうか?

小金持は何を考えるのだろうか?
何を欲しくなるのだろうか?

お金を十分に持たない人たちは
何を思うのだろうか?

こんな彼らたちが一堂に集まる世界が
もしかしたら、モードの世界にはある。
そこはバニチィーな世界。

虚飾が表層を覆っていて
いつも何かで輝いている世界。
純粋な輝きを求めて、

“OZの魔法使い”の世界。
ドロシーが辿り着いた”エメラルドの館”
閉塞感漂う世間へバニティな冷たき耀き。

バニチィーには慾と業が共に蠢いている。
慾と業には『表と裏』の宇宙が存在している。
表へ出るための”技”が小賢しくなる。

FORMAL-WEARとはどのような世界観か?
ここにも『表と裏』の世界がある。 
”聖”と”俗”あるいは、"ハレ”と”ケ”

’30年代のハリウッド。
閉塞感漂う世間へバニティな冷たき耀き。
☆、夜空,雪、水,氷,雫、クリスタル等々。

消え落ちる星や輝きが纏い付く
”女ぽい女と男ぽい女”という『表と裏』

素材の組み合わせ,
色の組み合わせ,
分量の組み合わせ,
後ろと前の重量感,
着丈のバランス
それに,
素材が持っている質感の
バランス感の絶妙さ。

文責/平川武治;VIA VIGANO,4 MILAN

投稿者 : editor | 2014年3月11日 01:38 | comment and transrate this entry (0)

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