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桑沢合同ゼミ-19MAY’15で話したこと−2、

2)妄想という自由なる発想から、現実の先端/アヴァンギャルドへ、;
 「さまざまなものが遠くに逃げていくという感覚に包まれて、現代の私たちは生きている。
家族もそのひとつだろう。家族と縁が切れたわけでもないし、関係が悪化したわけでもない。
モノにも恵まれている。それなのに、少しずつ少しずつ遠い存在になっていく。それは自分自身にたいしても起きていて、日々活動をしているこの自分が自分自身であるはずなのに、それは頭でわかっていても、感覚の世界では、自分自身もまたどこか遠くにいるつかめない存在なのである。」
引用文献/ [新・幸福論「近現代のつぎにくるもの」] / 内山 節著/ 新潮選書:新潮社刊:
 
 この哲学者はこのような現象を「遠逃現象」と呼んでいますが、僕はこのような世界観から生まれる「妄想力」は現代の日本人が誇れる想像力のブリコラージュだと感じています。
日本が誇れるコンテンツビジネスの根幹であるアニメや漫画世界はその殆どがこの「妄想力」がイメージの根幹です。ここには想像力以上の雑草的パワーを感じます。「妄想力」が次には
ヴァーチャルイメージを喚起させ、持ち得たIT技術によって他国に誇れる新たなるパワーになり
これが、現代日本の産業のリアリティの一つにもなっています。この世界は漫画、アニメから
始まり、ゲームアプリとパチンコの世界を征服してしまっています。
 では、ファッションの世界ではどうでしょうか?そして、I.D.の世界はどうだろうか?
僕の専門のファッションの世界を見る限りではもう、”自由の産物”であったファッションにおける創造性は全く変質してしまっています。 結論を言ってしまえば、現在の”マーケットありき”の
ファッションの世界でのクリエーションとは、「Only Variation of the Archives」の世界でしかありません。ここでは”新しさ”が変質してしまったのが最大の原因でしょう。
 ”生活の豊かさ”とともにファッションの情報量とスピードの速さが「安心、安全そして、快適」のためのシステムを構築し、持ち得た豊かな生活によって、その時代の”価値観”が変化し、実生活としてのファッションの楽しみ方はバリエーションをどのような”雰囲気”で楽しむか?
これがファッションな最前線です。この実生活というリアリティは、ここでもその普遍性が生まれた事によってファッションの世界の新しさは「Variation of the Archives」から編集再構成する
”ブリコラージュ”な世界になり、妄想という自由な発想でのファッションの世界は辛うじて、
”コスプレ”の世界や”リメイク”の世界がその市民権を得て面白い”妄想”からの創造性が楽しめるまでの可能性が今という現実の先端/アヴァンギャルドなのでしょう。
文責/平川武治;

投稿者 : editor | 2015年6月 4日 16:24 | comment and transrate this entry (0)

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