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『人生、90年』プロジェクトを広めよう!!

パーソナルプロジェクト「人生90年」とは
  『大衆が求める”イメージ”とは、いつの時代も、あり得るべきこれからの生活とそのスタイリングを”夢”としたものである。ファッション産業とは、そのあり得るべき生活と
そのスタイリングへときめきを与えるものに変わりはない。』

 今年の僕のパーソナルプロジェクトがこの「人生90年」プロジェクトなのです。
このパーソナルプロジェクトを持って、今年の前半はパリ、アムステルダムそして、ロッテルダム等の友人たちとそれぞれの立ち居場所でコミュニケーションを取り始めています。
そして、日本でもアパレル企業との協労が進んでいます。

はじめに/私案『人生、90年』プロジェクトとはなんだろう?
 20世紀が終わったように、「人生、60年」という時代観はもうすでに終わっています。
戦後の日本人が不器用に、敗戦という恥を背負って必死に一生懸命に生き抜いて来たのが
”昭和”という時代であった。ここではまだ、”ライフプラニング”や”ライフスケジュール”という
言葉は殆ど、存在し得なかった。そんなゆとりや豊かさをまず自分たちの生活に、という時代の流れが「人生、60年頑張れれば幸せだね。年金も貰える」だったこの70年です。
 そしてやっと、このような戦後を生き抜いてきた世代から3世代を経て、現在の僕たちの国の社会が表は「モノの豊かさ」を現実にし、裏では「社会保障のホコロビ」ももたらしたのです。
 今年の新-成人世代はそんな「人生、60年」時代を生き抜いてきた彼らたちの”第3ジェネレーション”。 彼らたちが國家の新しい主役に参入し始めるのです。
 従って、戦後の、「人生60年」という時代の社会システムそのものが無理な状態になり
ほころびてきていることは昨今の多種多様な出来事としての事件でも理解できるでしょう。
最近では、この”システムのほころび”へ、合衆国のエゴが剥き出しに入り込み始めていますね。
 本プロジェクトは日本が世界に先駆けて迎えたこの「少子多老化」という時代社会への撃つ
べきポジティフな一撃です。このプロジェクトの根幹は「少子多老化社会」という”未来現実”を
決して、ネガティフな捉え方ではなく、ポジティフな視点で考え対峙し、今後の新たな
「社会システム」を産業化するまでの発想の元で考えてゆくものです。
 その理由の一つには、我が国が迎える「少子高齢化社会/少子多老化社会」は今後、他の先進国も足並みを揃えて迎えなかればならない近い、未来社会の構造変化であるためです。
 白人先進国の戦後は今、大きく問題化されている「移民」たちを彼らたちの宗教倫理とともに受け入れたことによって「移民」たちを受け入れたことの清算が、日本よりは遅れて迎える
現実状況の違いであり、いずれ、世界の先進国と言われている諸国が「少子多老化社会」なる時代が来てしまう。その先鋒を日本とドイツが迎え始めた。という認識下で、この社会状況の先端を行く我が国はこの「少子多老化社会」をこれからの国力と生活環境の「あり得るべき豊かさ」を創生するためのコンテキストとしてポジティフにそして、格好のチャンスとして発想し、実践して行こうというプロジェクトです。
 そして、この『人生、90年』プロジェクトはファッション産業が関わらなくてはならないプロジェクトの一つであり、新たな可能性の一つとして、「ファッションによる、ときめきあるクオリティオブライフスタイリング」を提案、構築するためのファッション産業には大いに可能なるプロジェクトなのです。そして、当然ですが、今のファッション産業の不況と腐心を拭うことの一案にもなるものです。
 閉塞感が浸漬する現状から今後の新たな”豊かさ”へ向かっての可能性が日本社会への大いなる、有意義な先駆けをなすものであるという考えです。
 そのために必要な新しい「社会システム」検討し、開発構築し,できればそれらを今後の
新たな日本の成長産業として捉えるまでのプロジェクトを考えています。
 
 この現実の視点を変えてみると、これからの日本社会への新たなる国力になり得るまでのこの「少子多老化」を”ジェロントロジー/加齢学”として、新たに社会に認知させること。
そして、それによって世界の先進国に先駆けて激しい「少子多老化社会」を迎える日本は、
この現実認識とその社会化とインフラ整備を考えることとは、”新たな国家=共同体”を構築する
ことであり、今後の「地域再生構想」にも大いなる可能性”の一つです。
 今後、世界がこの方向へ多くの国が向かっていくのですから、これは大いなる可能性でしかありません。
高高齢者と、高齢者そして,セカンドジェネレーション、サードジェネレーションとのまた、
移民外国人たちとのいわゆるコラボ-プロジェクトなどがこのファッション産業が関わるべき
『人生90年プロジェクト』の根幹です。
 決して、倫理観乏しき、”目先のニンジン”を追いかけるためのプロジェクトではありません。

*『人生、90年』プロジェクトコンテキスト;
 日本が世界に先駆けて迎えた
 ジェロントロジー
 少子多老化社会
 ポジティフな視点
 新たな「社会システム」の構築と産業化
 ときめきあるクオリティ オブ ライフスタイリング
 ニュースタンダード
 スローソサエティー=スローライフ+スローファッション+スローアーキテクト
 マインドフルネス

”ジェロントロジー”『人生90年プロジェクト』を考える。;
 ”ジェロントロジー”とは、人間の老化現象を人間に関わる、生物学、医学、社会学、
人間関係学、心理学、サイエンス、自然環境学、生活環境学そして、政策立案にいたるまで
多面的、総合的に研究する学問で邦訳は「老年学・加齢学」。
 これからの高齢化の問題は一国の社会問題なのですから、一つの領域だけで解決することは
出来ない、新しい社会環境とそのためのルールとインフラ整備等など、「社会システム」に至り考えように因ると、もう一つの新しい共同体即ち、新しい価値観に元ずくコミュニティ共同体を発想した”新-社会創生”となる。
 高齢化・エイジングを根幹に、関わるあらゆる領域の「知」と「経験」と「関係」を結集して、 課題解決に臨むことがジェロントロジーの特徴であり醍醐味となる分野です。
 皆さんが「人生、90年」と思い込めれば、どのような「夢」を持つでしょうか?
どのような関係性の元で安心して、より、クオリティの豊かな幸せな生活を望むでしょうか?
そのためには、何が要らなくて、何が必要なのか?、残すものは何か?引き継ぐものは何か?
消去させるものは何か?などを学際科学と産官学民と連携しながらの実学が
”ジェロントロジー”です。
 このジェロントロジーの視点での『人生90年プロジェクト』は新しい価値観による、
新しい共同体をデザインするまでのプロジェクトです。

 ○実際に現在行われ始めているジェロントロジーのフィールドワークは、;
生理面/遺伝子、細胞、臓器骨格、栄養、運動ほか、
高齢者医療/慢性疾患、臨床、薬、退院支援、医療コストほか、
介護/予防、アセスメント、ケアプラン、サーヴィスモデル、公的、私的保険、青年後見制度ほか 
心理/記憶力、性格、達成感、価値観、時間観念ほか、
死-倫理/死の定義、準備、送る側の準備、死後の諸事、尊厳死、ホスピスほか、
政治/政治への関心、投票行動、投票動機、高齢者団体の行動理論ほか、
経済/所得格差、税制、社会保障、生活保障、シニア市場、近代化理論ほか、
社会-文化/若者の高齢者観、メディアの高齢者観、公益法人制度改革、構造機能主義ほか、
生活行動/時間の使い方、余暇活動、同世代相談、生涯学習ほか、
人間関係/夫婦関係、親子関係、兄弟姉妹、友人関係ほか、
労働-退職/働くことの意味、退職と健康、定年制の是非、定年起業、ワークシアーほか、
家計/収入、支出、貯蓄動向、資産運用、相続ほか、
住居/どこに誰と住むか、買い替え、住み替え、バリアフリー、リバースモーゲージはか、
 
 これらは総体に、”ネガティフな発想”によるそして、打算的なるものが多い。
その証拠なのだろうか、ここには「ファッション産業」および、「デザイン産業」が
加わっていない。

ファッションの視点から「人生、90年。ときめきのある長寿生活とは、」を考えてみる。;
 しかし、新たに迎えるはずのこの社会問題に、ファッションの世界から視点を定めて社会への提言が為されていません。そして、今日までも、ファッションの世界は変わらず、”20世紀の
価値観”を根幹にした、「人生60年」のルールと方法論そして、”アーカイヴィス”の
諸バリエーションの世界でしかありません。この現実が昨今のアパレル産業の衰退でもあるでしょう。作る側も、報じる側も、商売をする側もそして、教育する側も、論じる側もこ
”20世紀の価値観”とイメージングとシステムによってもう既に、30年以上が経っています。
即ち、その生活意識の根幹は依然、「人生60年」感覚でしかないのです。
このファッションの世界からこそ、新たな共同体を構築するという視点での
『人生90年プロジェクト』が必然ではないだろうか? 
 戦後日本がこれほどまでの”ファッション大国”になった実力と経験と情報を駆使して、
世界が羨む”超高齢社会”を”少子多老化社会”をカッコよく築き上げるチャンスでもあります。
 参考サイト/
http://jp.fujitsu.com/group/fri/downloads/report/research/2012/no389.pdf
https://www.nissay.co.jp/kaisha/csr/chiiki/shakai/pdf/gerontology.pdf
http://www.ducr.u-tokyo.ac.jp/jp/research/study_groups.html
空き家問題/
http://jp.fujitsu.com/group/fri/downloads/report/research/2014/no416.pdf

○幾つかの現状参考数値。
*2030年/高齢者所帯のうち、約40%が独居世帯+約30%が夫婦のみの世帯となる。
*2012年からは、高齢者が年間100万人づつ増えている。
 ということは、昼間から彼らたちは地域に止まって生活をしている。
*地方社会では、地域の過疎化と高齢者による限界集落が増加。
*2005年来、出生率より、死亡率が増加。
*少子化は国力の低下衰退へ繋がり、労働人口は2030年には約1000万人の低下により、
5600万人ほどになる。
*「老老介護」が現実化する。
*「空家」の増加。現在で約800万軒の空き家がある。 
○今後の人口推移;/マクロで見ると、
2020年には/0-14歳:14,567千人(11.7%) 2010年は16,803千人 
2020年には/15-64歳: 73,408千人(59.2%) 2010年は81,031千人
2020年には/65歳以上: 36,123千人(29.1%)内75歳以上:18,790千人(15.1%)  
2010年は夫々29,245千人・14,072千人
  そして2022年には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になります(3割以上が要介護)。
総人口は124,099千人(2010年は128,057千人)と余り減ってはいないのですが、
「少子多老化」が猛烈なスピードで進行します。
介護・医療に要する費用だけで国の税収をほぼそのまま使い切ってしまいます。

○”ジェロントロジー”『人生90年プロジェクト』をすこし、具体的に考えてみる。
 では、新たなローカリズムを根幹にした『人生90年プロジェクト』のための
共同体/コミュニティとは、その根幹は、”Aging in quality of life”
穏やかに、おおらかに暮らせるもう一つの共同体を考えることでしょう。
 目的は、「安心で活力ある豊かな長寿社会」の構築。
1)『人生90年』にふさわしい「真に長寿を喜べる生き方」
/ライフデザイン分野。
→生きる目的がある事と、身体が衰えても、QOLを維持できること。
2)安心で活力ある超高齢者社会の創造、”Aging in Place”の現実化。
/ライフエンヴァライメント分野。
→住み慣れた自宅や地域で最後まで自分らしく老いることができる共同体を考える。
3)健康長寿の推進と本来の安心を提供する「共同体ケアーシステム」の構築。
/医療ケアー分野。
→”寄り合い”システムなど、ローカリズムとしての”長屋”共同体が成し得るケアーシステムを考える。

○ここで僕たちファッション産業人がより、直接的に関われる分野とは?
「価値観、趣味、関係性、経験値、スキルなどで編み込まれ、重ねられた新たな環境としての
「共同体」を構築し、その共同体で生活すること、楽しむ事自体が”新-市場”となるような
”交流と触れ合いと学びと遊びと愉しみと安心と穏やかさのサーヴィス&ホスピタリティ”を、
マインドフルネスを根幹に考えた”CARE & CURE”のための倫理観から生まれる”品性”や
”品格”、”洗練さ”がシャワー効果となるまでの”緩やかな時間消費”環境を考えることでしょう。
→男女消費/文化消費/観光消費/学習消費/CARE & CURE消費/セキュリティ-福祉消費/
伝統回帰消費/ノスタルジア消費/エピソード消費/夢消費/マインドフルネス消費等など、
これらをどのように「ゆったりとした時間観」の中で実環境化して行くか。

○考えるべきミッションとその順序は、
→コミュニティ環境を構築する。そのための共有出来る価値の創生。
→新たな消費環境を”いりこ構造化”する。そのための新たな”風土”魅力をデザインする。
→ときめきあるQOL.のためのサーヴィス&ホスピタリティ”と”マインドフルネス”。
そのための人材エヂュケーションを行う。
→『人生90年プロジェクト』のための商材編集とプロダクツディレクション。
そのためのマーケティング。
→仮想空間を構築し、汎世界戦略を行う。そのためのC.G.テクノロジーと
デザインディレクション。

○そこでこの新しい時代に考えるべき問題の一つが「倫理観」です。
 ”お金の豊かさ”を「倫理観」の第一義としてきた戦後70年は、”THE END"です。
これからの「あり得るべき規範」としての”新たなる豊かさ”を"、QUOLITY OF LIFE"を目指し、
『人生90年プロジェクト』のための生活や社会にコミットさせるために、
今まで置き忘れられてきたこの「倫理観」を再考する時代性が今年です。
この根拠は、30数年間、パリモードを中心軸にモードに接してきた僕の結論的発想の一つに、
「成熟された倫理観が洗練さを生む」という信念を持っています。

○本プロジェクトのコンテキスト;
倫理観ある共同体。
→経験、スキル、資産、労働意欲、
コミュニティ、みんなが國力。
→高齢者が増えると集い、集まり、消費時間もスローに穏やかな流れへ。
目指せ、あり得るべき新たなるニュースタンダード、”クオリティオブライフ/QoL”の改善と
向上。
→生きがいと幸福感が増す。”昔取った杵ずか”の多重層異文化集約型ミルフィーユ効果。
みんなで価値観を共有し、一体となって連携、協労することそして、マインドフルネス。
現実の状況を正しく認識すること。悲観的な状況であろうと、現状を出来るだけ定量的にかつ、先入観なく客観的に見ること。
 課題を明確にした上で、その解決策を立案し具体的な計画を立て、行動する。

 参考文献/ 「2030年,超高齢未来 ―「ジェロントロジー」が、日本を世界の中心にする」:東京大学高齢社会総合研究機構刊
 文責/平川武治:平成27年3月:無断転載等を禁じる。必要な際にはご連絡をください。

投稿者 : editor | 2015年6月 4日 17:22 | comment and transrate this entry (0)

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