« 『人生、90年』プロジェクトを広めよう!! | メイン | 三伏の候/ 繋がるための誠実さとは、映画『繕い裁つ人』から。 »
プロローグ或いは、"桑沢合同ゼミ+もう少し、プロ的な視点、"
< もう少し、ファッションプロ的なる時代へのまなざしを付記しておきましょう。 昨年は僕は「新らたなローカリズム」を考え、デザインの世界が今後、どのような新たな可能性を持っているか?あるとしたらそれはどのような根幹が必要なのかを学んでいました。 一つは、昨年来からの「政治」を読むこと、知ることそして、政治を感じた場合、どのように自分たちのこれからの國や社会へ向けてのなすべき行為が可能か?僕たちの國に、豊かさと強さを増して行くために、どのように若い人たちは社会へコミットして行く可能性があるのか?"自己満足"という閉塞感な世界へ逃げ込まずに! この眼差しは、ファッションのみばかりではなく、"デザインの世界"においての今後の、若い人たちが持つべき、"デザインするとは"の新たな根幹と"視点"であろうと考えています。 ここでは、もう一度「近代デザイン」が具体的に誕生し、社会にコミットし始めた時代へワープしてみる必要があります。ここには現代という時代性の根幹がこの時代観にチューニングされ始めたからです。ファッションの"トレンド"も一昨シーズンから"'30年代"が来ています。 今シーズンでは、あのS.メンケスが「流線型/streamline」という言葉を使い始めています。ここにはその時代が願望する新しさとしての"合理化や能率的や簡素化そしてスピード化"などが時代のボキャブラリィーとして込められていたのです。 東京の街の様が昨年秋頃より、様変わり始めましたね。また、ラグジュアリィー系ブランドのブティックが我が物顔をし始めました。 '70年、プレタポルテシステムが誕生して以来、'90年代終わりまでは、「プレタポルテファッションデザイナー」たちがその自由な才能を武器にクチュリェたちを脅かすまでの主役であった。彼ら、才能と才気豊かなプレタポルテデザイナーたちの創造性に影響を受けモード産業は勢変を遂げてきた。'90年の湾岸戦争以後事実、クチュールの顧客が減って、"ラグジュアリィー-マークビジネス"という新たな括りでモードビジネスの新しさをミラノの老舗*が見つけた。しかし、モードの新しさを生み出すのはまだ、プレタポルテデザイナーたちであったこの時代が、グローバリズムの到来と女性の生き方が家庭へ戻り始めることそして、ファウストファッション登場で新たな局面を迎えた。 ここには、"世界観と女性のポストジェンダー化と価格破壊"という"新しい波"が押し寄せ以後、時代性そのものが変革した。これによって、まともにこの新しい波を被り被ったのは資本力の弱いプレタポルテデザイナーたちであった。一方、資本力が安定している"ラグジュアリィー-マークビジネス"は服を売り、コスメを売り、靴バッグそして、ジュエリィと最近では時計を商い品目として、日本へ上陸その後、2000年以降は総てのメゾンが、新しいマーケット"としての中国へそのビジネスの可能性を求めて方向転換した。 そして、約10年が過ぎた昨年来、かれらたち、"ラグジュアリィー-マークビジネス"の商人たちは中国マーケットへの限界を知り始めた。同じアジア人でも、日本人と中国人のマーケットモラルが違うことを知った彼らたち。 ここで、昨年秋以降再び、"ラグジュアリィー-マークビジネス"の商人たちは日本へその矛先を転換し直した。ここに来ての、表参道界隈の"ラグジュアリィー-マークビジネス"ブチックの乱立はこの証拠である。かつての手法、日本にブチックを作り、中国人たち観光客顧客を煽る処方である。 例えば、昨年末に行われた、DIORのショーと展覧会がこの"ラグジュアリィー-マークビジネス"の新たなビジネス展開の手の内を見せた。ショーには中国からの上顧客と中国ジャーナリストを招待。展覧会では、デザイナーではなく、ディレクタ-RAF君とそれを助ける"アトリエ"のチームクチュリエたちが主役という新たな構造を自慢した代物でしかなかった。 従って、"デザイナー"よりも、"ディレクター"へ、という構造が生まれた。"VARIATIONS OF THE ARCHIVES"で価値ある多くのアーカイブを持っているメゾン系が今後の時代のモードリーダーとなり、そのメゾン内で実際に働きてた"アトリエチーム"たちがリアルビジネスのクリエーションの主役へ躍り出る。 ここで、新たなモードビジネスは"チームワークビジネス"であることへの構造とシステムの転換が行われ始める。この"ラグジュアリィー-マークビジネス"のU-ターン現象の根幹は今後の東京の新しさ"カジノ"を目論み、新たなターゲットにまでその射程距離を広げた陽動作戦であろう。
モードビジネスが変わった。; "ラグジュアリィー-マークビジネス"が中国から日本マーケットへシフトし直したことの根幹は、モードビジネスも大きくは"スーベニィールビジネス"であるということ。 "ラグジュアリィー"のイメージとクリエーションを実質ビジネスにつなげているのが、巴里では"サンチェ系"と呼ばれていたデパートをメイン顧客として、コピーブランドを束得ているアパレル勢である。MAJE,SANDOR,をはじめに、KOOKAI,KOOPLE,いろいろ、彼らたちは確実にラグジュアリィーに負けずとリアルビジジネスをリードし始めている。 そして、彼らたちのもう一つのフランスにおける「モード産業界」へ、サンディカ(オートクチュールプレタポルテ組合)が大きくバックアップを始めた。 彼らたちへの人材育成機関として、従来はクチュールのお針子さん養成学校であったこの組合付属の学校を"サンチェ"に隣接移動し、授業内容も、ミシンを使ってのアパレル向けカリュキラムへ変更。そして、サンチェ系出身のプレタポルテデザイナーメゾンのコレクション参加も大いにその門を広げた。これらの方針は確実に、ファストファッションへのビジネスプロテクトであり自国のファッション産業の経済効果を拡大するための手段である。 もう一つは、やはり、EUにおける日本よりも遅れていた"ITファッションビジネス"の進化。プレタポルテデザイナーのネット通販ビジネスへの参入、NETーAーPOTERやイタリアンヴォーグ社の"the corner.co."とYOOXとのコラボビジネスも始まる。 あのH&Mが始めたファストファッションのシニア版ブランド"COS"が好調な売り上げを上げている。このブランドのマーケティング戦略はうまい。例えば、同じ、スエーデン発のプレタポルテブランド"ACNE"をターゲットに絞り込んだ戦略で40代ターゲットを軸にクオリティもそれなりのデイリィーウエアーにまとめ、抑えられた価格帯とともに見事に成功している。東京にも昨年11月に1号店が出来た。 このブランドによって、パリサンチェ発の"MAJE"もここに来て脅威を感じ始めた。今後、このゾーンが激戦になるラインである。"ラグジュアリー"から"プレタポルテ"や"サンチェ系"が影響を受け、"COS"で下限を囲われてしまっているのが今の巴里のファッションビジネスの現実である。 最後に、もう一つ、このモードビジネスがグローバル化した証拠。面白い現象は、今まではフランスでモードの仕事をするには、当然のように"フランス語"が必要であったが、今では、この"フランス語"よりも"英語"が本格的なビジネス語となり始めた。フランスのファッション企業で働くためには英語で面接されるところも出てきた。ここにも、ITビジネス化の余波を感じる。
最後に、目立つ問題点; このような時代性になるとアーカイヴからコレクションを作る場合、今の若いデザイナーたちにはその持ち得た"リアリテ"がない。殆どが、サイトやブログそれにインスタ等の"ヴァーチュアルリアリティ"の世界でモードにも関わってしまっているからだ。 そのため、フラットな平面性、ヴィジュアルからのデザインになる。故に、"分量"のデザインが出来にくい或いは、出来ない。表層のシルエットのコピーは出来るが、今の"時代の分量感"に置き換える"ニュアンスのデザイン"ができないデザイナーと、パターン力の低下が目立つ。 学ぶ方法は、教養を深め、歴史と学ぶ、古着を触る、古い映画を見る、自分の育ちを省みる。そして、熟練者の仕事を敬い、学び、オープンマインドであること等など、、、 案外、"ファッション学歴振り回し族"たちはこのディシプリンがない。彼らたちは、もう終わっている。
トレンドについて考えると; ここ数年来トレンドのキーワードは変わっていないと読める。トレンドの根幹は不変であり、その"意味付け"だけが変化させているということである。 [メイントレンド+サブトレンド+ホロ-トレンド=新規トレンド+継続トレンド-1+継続トレンド-2,,,]
終わりに、"問題"はその次に起きることだ。 「自民党は憲法9条の改正に動き、自衛隊の海外派遣をどんどん実現できるようにするだろう」安倍政権の目論見は明らかだ。日本の国の姿をかえることにある。したたかにこの国の風景を変質させていく青写真の作り手たちが蠢きはじめるだろう。 '20年の「東京オリンピック」や「カジノ」を出来る限り、経済効果として利用し、この広告産業の一つを今後の歴史的契機と、安倍政権が変えようとしている國体とは、それぞれの社会体制システムによって構築されてしまったアメリカ合衆国の属国としての「社会」が、『再-安保改定』により、もっともらしく残るが、嘗ての日本國が持っていた「日本人としての気骨」や「気概」ある國体、「世間」は喪失してしまう。 安倍の渡米によりアメリカへ、5千億円以上のアメリカ軍事産業への武器類の購入があった。安倍政権の目論見によって、彼らの論理で言えば、「何時、玉が飛んで来るか解らない自衛隊に対しての」僕たちの國家の防衛費予算の増加率は世界1位になり、('64年を基にした軍事予算の増加率は、54.5%である。出典/日経新聞5月09日付け、「世界はこう変わった」より、)「平成の大軍拡」の現実を皆さんはどれだけ、認識しているのだろうか?解ったふりして、投票に行かず、政治のことを発言するのは一番悪い。親の筋をかじってカッコつけているからこれでいいのか? 「1月14日に閣議決定した平成27年度(2015年度)政府予算。そのうち防衛省予算は前年度比2.0%増で過去最大の4兆9801億円となる。しかし、補正予算案に盛り込まれた防衛費(2110億円)と合計すると5兆1911億円となり、「5兆円」という大台に乗る。「平成の大軍拡」と言っていいだろう。」出典/東洋経済オンライン/2015年01月26日より抜粋。http://toyokeizai.net/articles/-/58914 そして、「カジノ法案」もそうであろう。これらの発案の根幹に何が蠢いているのか?結局は「金/カネ」でしかない。在日系の人たちによって、より「格差社会」が「ギャンブル依存症」が増加するだけのごとく変わらず、"倫理観なく"構築されてゆく、そのための「利権」政治を、与えられた"シナリオ"を棒読みしているだけが、今の"安倍政権"の実態である。 これはグローバルな日本企業にも、地方自治にも言える警告である。「問題はその次に起きることだ。」文責/平川武治;平成27年5月;
投稿者 : editor | 2015年6月 5日 14:28 | comment and transrate this entry (0)