« シアーリングエコノミィー(共有型経済)の根幹、『「分ち合い」の経済学』から、 | メイン | 少し、気になる「芸術とデザイン」の関係性を考えてみよう。 »

「11月13日のパリテロ事件」深読みすれば、

 この間のパリコレで訪れた巴里で、僕はこの街が苦しそうに模索している姿と雰囲気を感じていました。
 また、この街が新たな新興中産階級を構造化するために移民たちが住んでいる地域を都市開発し始め、貧しい移民たちを受け入れても底なしの世界を
構築し始め、パリ郊外へ追いやり始めたからです。ここにも「二極化社会」への布石が現実化しています。

 「11月13日のパリテロ事件」は案の定の事件ですが、とても悲惨な惨事でした。
この事件の根幹は当然ですが、現在のフランス国政のバランスの悪さと移民問題に隠れたイスラエル建国問題
(ピコ協定/’16年)から端を発して大河のごとく流れ続けている宗教紛争と民族闘争の現実の一先端です。
ですからこの惨事は「パーソナル化され始めた第3次大戦」でしょう。
それにここでは、新たにフランスはもう一つの軍事産業大国であることを改めて知るべきです。
 
 直接的にはシリアからの大量難民を受け入れたと同時に、シリア爆撃を開始したタイミングによって引き起こされたもの。事件現場はフランスの穏便派と称される中産階級の人々が多く集まる場所を狙ったこと。そして、サン・ドニの競技場はオランド大統領が観戦していることを情報として入手していたことによって競技場玄関での見せかけの襲撃現場としただけ。
 パリに隣接するサン・ドニ市はもう既に、彼らたちイミグレーターたちの”キャピタル”になっています。あのフットボール競技場をここに設けたのも、彼らたちの”エネルギィー”を吸い取るためのイミグレーターたち、X-Y世代たちの「ガス抜き装置」でもあります。
これがグローバリズムの現実の一つです。
 そして、バタクランやその他のエスニックレストランは”新興中産階級の子弟たち”即ち、国籍関係なく、ユダヤ人たちの若者が多く集まっていたところです。その事実、当日のバタクランでは決して、”RAP"のコンサートでは無かったこと。彼らは決して、無差別殺人を起こしていません。ちゃんと、自分たちのターゲットが誰であるかはしっかりと教育され、情報を得ての事件。
 その直後に起こったマリ・バマコでの高級ホテルテロもそうでしょう。
決して、現地人は泊まれない高級ホテルを狙ったのです。ちょうど、この時期のバマコでは
フランス文化庁が後援してマリ国の「秋の文化祭」的な催事が幾つも展開されていた時期です。
従って、ここでも、フランス人中心の”コロニアル主義”の延長の「文化の押し付け」関係者たちそのほとんどが
ユダヤ人たち、が招待されて宿泊していたホテルを狙ったのです。
実際に僕も’10年から2度ほどこの街で行われている”黒人写真家のための写真ビエンナーレ”
へ参加した経験から直感した眼差しです。
 今の巴里はまた、’90年代始めそして、グローバリズムが唱えられ始めた2000年終わりに行ったように、
貧しい移民たちが住んでいる地域を”都市開発”と称し彼らたちを郊外へ追い出し政策で都市が改造され始め、
現在行われている”都市開発”事業もこの一環です。
 その反面、”シリアからの移民受け入れ”を行っているのも彼らたちの”飴と鞭”でしかありません。移民、難民たちがパリへ新たな世界を求めてやって来ても結局は、住む所が十分に与えられず近郊の都市部へ追い込まれるように棲みつくしか仕方ない現実。
このキャピタルが”サン・ドニ市”なのです。

 今、世界中が”善”と”悪”の二極化によって政治がなされていることに僕は危惧しています。
現実社会は”0-1”の世界ではありません。出来過ぎたバーチュアルなコンピューターゲームではありません。
 現状の世界メディアは余りにも、表層過ぎます。そして、それを信じてしまうB層階級者たち。
今、世界の富をかき集めている連中は新たな世界、自分たちを選ばれしトップとしたヒエラルキィの”新世界”を構築し、”二極化社会”を構造化するためにそして、人口を減らすためその富を
使っています。すなわち、富める者たちの自我から生まれた未来問題です。
宗教闘争と民族闘争それに、国家闘争をただ絡めた「パーソナル化され始めた第3次大戦」です。そして、尚も、
富を求めている連中は”軍事産業”がどのように動くかのみがフォーカスであり、その結果が、今回であり、
これは今後も続くのです。
 このテロ事件以降大きく変わったことが確実にあります。
フランスも英国もアメリカもロシアも”軍事産業”を一国の一番の生業としている国家がより、 
「極右」が強くなり始めたことです。確実に”得をする者たちと損をする者たち”が今後、顕著に
現れその究極目的は”新世界”とそのための”二極化社会”構造発想での現実です。
 
 戦後の敗戦国日本ではまだこのような移民問題が現実になっていないために真相を完全に
理解することはできません。これが日本とフランスいや、戦勝国という国家間の現実距離です。
 それなのに、日本政府も事件直後に表層のヒューマニズムに迎合して、自称”大国”気取りで
直ぐ様”善悪”2極化のステートメントをまるで、”与えられたシナリオ”をここで言うべきだと
教え込まれたように読み上げる。このこと自体が日本の惨めさを感じ怖くなりました。
 この自分たちに与えられたシナリオによる言動と行為、倫理観なき、教養無き行動であり、
僕にはこの安倍内閣そのものが惨めで今後の日本国が恐ろしくなったのです。
 これはあの”原発問題”と同じシナリオでしかありません。
これからの新たな日本の国家産業の重要品目に「軍事産業」或いは「軍需産業」が控えています。
この戦後70年後にやっと飼い主アメリカからお許しが出、念願が叶う「軍事産業」を潤滑に
国家産業化させてゆくためにはその工業力のための”動力”問題があります。
そして、ここに新たな巨大「利権」が派生します。
 従って、”電力自由化”などと表層で謳いあげながら堂々と「原子力発電」事業を復活させ始めている
事実。これがこれからの「日本国の未来」の一端を生み出すシナリオ。

 今やこれからの日本の子供たちが自國をどのような理想国として教育されて生きてゆくのか?
2020年までの東京を中心とした国家の変貌と、2030年までの”直下型地震”そして、2045年からの”人工頭脳”の実現実化とライフスタイリング化。これらはもうすでに完全にプログラミングされています。これらを実際に生きる若い世代たちが教育で、家庭でどれだけこの事実やシナリオを教えられているか? 地球のことを念い合った未来が教えられているのだろうか?
宗教倫理も持っていない、家庭倫理も薄弱によって富を築いてきた戦後日本の70年がこれからどのような
「真の国際国家」を構築してゆくのか?
 こう言う視点で、今後の僕たちの国家を想像するとやはり、恐ろしさと不安ばかり。
しかし、この兆しを”豊かさ”から生まれ育った今のX-Y世代の若者たちは案外と冷静に見始めて
いるのでしょう。

 見えている美しい氷山の水中下には必ず、バランス/調和を保つ大きな塊があります。
その塊を国民の為に感じ読むことができるか? そして、何を為すべきか? 
これが真の政治というものでしょう。

 ここに、今年2月の”ル・モンド・ディプロマティーク日本語版”で掲載されたフランスに於ける移民問題の評論があります、ご参考まで。
http://www.diplo.jp/articles15/1502islamophobie.html
文責/平川武治:

投稿者 : editor | 2015年12月11日 08:19 | comment and transrate this entry (0)

コメントしてください




保存しますか?