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今後、読めるパリモードと日本の「御三家」の今後とは?−1。

「今シーズン或いは今後、予想されるパリモードのメディアの騒ぎ具合とはを
幾つか予測しよう。」

 プロローグ;
 この街のモードもかなり、ポリテカルなシーンへ入ってきました。
”ファッション・ゲットー”にもイミグレーターたち、彼らたちのミレニアムジェネレーションが
格好のサクセスストーリーを求めてまた、ゲットーの白人たちも彼らたちを新興富裕層としても
受け入れなくてはならない状況に立たされてしまっています。
 この現実の先取りの一つが、ロンドンヴォーグの新・編集長、エドワード・エニンフルの
起用がこの状況をうまく受けましたね。

 日本ではそれなりの効果があったのでしょうか、
鳴り物入りでのN.Y.メトロポリタン美術館での憧れの(?)展覧会によって、この企業も、
日本生まれパリ育ちそして、”ユダヤ・ブランド”として今後の継続が約束され堂々と、
世界ブランドとして溶解されて、認知されてゆくのでしょう。このパリでも、プレタポルテ出身
ブランドが生き残れる条件は非常に厳しく、今までではS.リキエルぐらいでしょう。
しかし、このブランドでさえ今は中国資本によって存続されているのですから、
日本人としては、喜ぶべきことあるいは、嬉しいことなのでしょうか?

 そして、この川久保玲のN.Y.の展覧会を他の「御三家デザイナー」たちは
どのような眼差しで見、自分たちの今後をどのように模索(?)したのであろうか?
 このCdG、川久保玲の選んだ今後、それはいつか”世代交代”しなければならない時を
迎える、自らが設立し、君臨し続けたこの「コムデギャルソンというファッシズム体制」
から消滅しなければならない宿命に対しての”営業的、ユダヤ的セレモニー”の一つでしか
ないという「ご苦労様でした。あとは、僕たちが引き受けますよ。」という読み方が僕の
生意気な視点です。
 では、先の展覧会の読み方、認識が、他の「御三家デザイナー」と称されてきた、
三宅一生、山本耀司はどのように自らの今後の現実を読んでいるのだろうか?
 彼らたちさえ、もうすでに”老齢年金”を貰える世代なのである。
彼らたち、戦後の日本のファッションデザイナービジネスを盛り上げ世界へ認知させる
過大な役割を担った”企業”としての今後はどのように存続が可能なのか?
 どこかのユダヤ企業が介在するのか、あるいは、自社で現状維持、日銭を稼ぐ企業で
自己満足するだけなのであろうか?
 そろそろ、この視点で今後の日本におけるファッションデザイナービジネスとその在り方、
構造を考える必要があろう。
 しかし、残念ながら日本のファッションジャーナリズムはこの視点での役割認識が皆無、
変わらず”業界紙”クオリティで”御用聞き”でしかないのが現状ですね。

 もう一つ、パリの昨今は、”シャネルへ殴りこみを仕掛けるディオール”という構造が
メディア化する今後でしょう。
 企業売上では未だに、シャネル社がトップを走っています。その後をいつも追随して来た
のがデイオール社でした。そこで、フランスの文化の一つである"C.DIOR”ブランドの全てを
やっと、究極のクチュールメゾンも手中にしたM.アルノーは意気揚々、この時期が到来と
ばかりにシャネル社へ挑戦を仕掛ける時期と読んでいますね。
 その現実が今行われている”DIOR”展。これは、素晴らしい見事な展覧会です。
パリを訪れる目的の一つになるまでのファッションに関心のある人たちは必見の展覧会です。
ここにはこの国、フランスの文化が、”そのテイストと匂いとエレガンスと雅”が漂っています。
やはり、歴史という積み重ねられた”エレガンス”が違いますね。

 その1ー老舗”Chanel”への殴り込み劇とは?; 
 あのカール伯父さんこと、K.ラガーフェルド氏の引退劇であろう。
まず、いつ出来るのであろうか?本当に、可能なのであろうか?
次は、ではその後釜には誰が?この二つの大きな問題があるが、後継者としての
”ファッション・ディレクター”はもうすでに、決まっている。
それよりも問題は誰がいつ、彼のためにレッド-カーペットを引いてあげられるか? である。
勿論、これには彼本人のご意見が左右することで時間が費やされているのだが、そろそろ
その時間にも期限がやって来そうである。
もう一つの問題は殆ど、大丈夫である。
カールおじいさんがレッド-カーペットを歩くその後ろには変らず、ゲイ叔父様方にウケが
いい、あのエディ・スリマンくん、彼がはにかんだ笑顔で佇んでいるであろう。
この現実が訪れる前にもう一つのメディアを騒がせる事件は、ムッシュー・アルノー一家の
出入りであろう。彼はラグジュアリィブランドの世界で名実共に、頂上に立ちたいのである。
フランスの奢侈文化を代表するまでの”メゾン・C.DIOR”を全て買収完了してしまったこの
実業家が目的とするところは今度は実ビジネスであり、もう一方の老舗一家を打ち倒すこと
である。
現実のパリモードの売り上げ順位を見ると、今だに、老舗”Chanel”がブランド売り上げで
1位に君臨している。これはM.アルノー一家にとっては目の上のタンコブである。
この名実共の老舗ブランド”CHANEL”をターゲットとして、どのように打ち落とすかの
タイミングが彼ら達にとっては”今 !” なのである。
何故、今なのかとは、その偉大さをモード美術館でお披露目している”大DIOR”展の立派さと
凄さはすでに、メディアと世間で実証済みでありまた、あたらしいDIORのデザイナーのウケは
メディアも顧客にも頗る良く、売り上げも伸びているのでその勢いをもって、宿敵”CHANEL”
一家との世代交代劇に付け込む事であると読まれた作戦だろう。
また、E.マクロンが大統領になったこともポリテカルに幸いしている。
ここで、“CHANEL”の新・ファッション・アートディレクター、エディ君はあらたな使命
として来春ぐらいには(?)今までこのメゾンになかった新ブランド”CHANEL・HOMME”を
打ち立てて彼ら達を迎え撃つ事であろう。
今回は”フレンチ・エレガンス”を知らなかった、ラフ君とは違ってメディとしては申し分のない
エディ君の輝きと自由さが新しいモードの状況を誕生させるためのシナリオの一端が担える、
話題性に事欠けない状況と読んで目論んでこれからの賑わいが起こる。
 これが海の向こうのパリでこれからファッションメディアが騒ぐことの読み方、
その1である。(続く、)
文責/ 平川武治: 巴里市ピクパス大通り。

投稿者 : editor | 2017年9月28日 17:31 | comment and transrate this entry (0)

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