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令和元年9月/昨年再開した、「MODE-YOSE」で話したこと。

 MODE-YOSE /#1で話した事。開催/ 令和元年9月01・03日:

 はじめに)「この再開する会のミッションとは?」/
 モード関係者が三人集まると必ず話に出てくる事、「もう全くモードの世界も変わったね。」
があります。
 モードの世界は変わって当たり前なのです。モードに関わる社会環境が変革し、時代が変わる
その兆しにモードは変わらず、敏感に触れているからです。変わらない或いは、変われない側の
世界例えば、TOKYOが“ズレ”てしまったのです。このズレを認められない、小さな世界で満足
しているレベルが、「トキオ・レベル」ですね。
 そんな東京では、ファッションデザイナーになりたい輩たちの根幹のミッションのその殆どが
以下のどれかに絞られる変わらぬレベルだから「変われ」なく現在に至っているからでしょう。
「自己満足+有名人に+カッコよく儲けたい+女にモテたい。そして、最近では外人の友だち」
と言うことは、気がつくとこれらは昔、ヤンキー今、マイルド・ヤンキーたちの「究極の
ミッション」と変わらず共通しますね。
 そして、ファッション・メディアとは、今や 評論するべき創造者もなく、唯、モードを知った
かぶりする輩たちを耳年増にするレベルが多い「レポーター」集団でしょう。
 作る側も、かつて“アーチスト”振っていた輩たちも今では自らの足元が危うくなってきた為、
慌てて、見よう見真似で“売れる”服作りに勤しんでいる世界。その大半は、今まで「デザイン」
と言う世界を小馬鹿にしていた「外国人コンプレックス」だけを身に付け学んで帰国した海外
留学生と称される輩たち。彼らたちはOEMというビジネスシステムを使って、“売れるもの”への
様変わりもいち早く、逃げ足だけが早い連中に成り下がってしまいましたね。
 では、この東京には本当に未だ、「ファッションを愛してる」「服を愛している」人たちが
いるのだろうか? そんな人たちは見ないでいい事がリアリティとしてより見えてくると、
たくさんのことで悩んでしまう。
 この会の再開によって、『「服を愛している人たち」と「本当に服が好きな人」たちと出会い
たい。そして、語り交わしたい。』それによって、『これからのモードに対する眼差しが新たな
時代とともに、潔く耀いて欲しい。』という一念がこの会、再開の僕のミッションです。

 1)ひらかわが見る、モードの現在点。/
→二つの中間領域の誕生。「黒人というニューカマーとジェンダーというニューゾーン」
新しい時代性を顕著に表している、時代を背負い込んだ「新たな消費者たち」。
→ 「モード」が始まった時代、モードの根幹とは、「ラグジュアリィー」でしかなかった。
1920年代に入り、新たなブルジョワジーと言う社会階級が登場したヨオロッパで誕生したのが、
そもそもの「モードの生まれと育ち」である。この根幹を経験値としてあるいは、教養として
理解しているあるいは、教育として刷り込まれたモード人はどれだけ存在するのか?
→「モードはいつも時代の兆しを先読みしている。」
それぞれの「中間領域」の誕生によって、「近代」という時代の終焉を感じ取り始めた。

 2)最近読んだ本;「ホモ・ゼウス」が示唆する近未来,”HOMO ZEUS”とは?
(別紙/読後まとめ参照。)
→20〜30年後の「人間の価値や役割、存在意義」とはを考える為に参考にすべき本である。
「近代」は「第1次産業革命」と「人間至上主義」によって19世紀末ごろに登場した。
それまでの「近世」に至るまでの人間は「神の民」であり、「神至上主義」の世界であった。
神と人間を繋げていたのがキリスト教、イスラム教そして、ユダヤ教という“一神教宗教”であり
現在もそうである。
 「神至上主義」から「人間至上主義」への変革とは、取りも直さず、「白人至上主義」である。
この「白人至上主義者」たちが「個人」を拠り所に、「自由主義」+「社会主義」+「進化論
主義」たちを誕生させた。そして、これらがそれぞれの集団として「国家」が誕生し、現在では
このそれぞれの「集団」が、「資本主義国家、社会主義国家そして独裁主義国家」を誕生させ、
「個人主義」をも誕生させ、現在では「超・個人主義」にまで至っている。

 ◯この白人至上主義者たちが構築した「近代」というパラダイムとは?/
 *「近代」は”取り決め/契約“社会で成立している。
「神」との取り決めから解かれた人間は、次なるは「人間」との取り決めが必要になる。
その取り決めとはいたって、単純で、「人間は力と引き換えに意味を放棄することに同意する。」
即ち、人間が持っているはずの「差異と力」。このシステムが崩壊した時、「近代」は終焉を
迎える。現代の“取り決め”の多くは「欲望」と「誘惑」から生まれる。
 *「近代」という「人間至上主義」よって与えられた人間の価値あるいは、役割とは?
「政治+戦争+経済そして、人権」だった。しかし、この「人間至上主義」は人間の存在価値と
その役割が認められる事によって、相互間で存在価値が生まれた。
 *今後、科学テクノロジーとP.C.バーチャル世界がより、進化し「A.I.」が「自動車」と同様な
進化発展を社会と生活空間へ齎すであろう。
 *根幹がそうなった時、「人間の価値や役割、存在意義とは?」あるいは「人間は何をして
生きてゆくか?」という終焉的なる問い。

 この著者、イスラエルの歴史学者、ユヴァル・N・ハラリは、ユダヤ人であることで可能な膨大
な歴史資料とテクノロジーの進化情報をかき集めた結果、「アルゴリズム・コンプレックス」に
陥り、「データー教」までを仮想しているやはり、「傍観者」である。
彼がこの本の“根幹”にしたのが、
1/生き物はアルゴリズムであり、生命はデータ処理でありという教義。
2/知能は意識から分離しつつある。
3/意識を持たないものの高度な知能を備えたアルゴリズムが間もなく、私たちのことを私たち
以上に知るようになるかもしれないという妄想。
と言うある種、歴史学者特有の「傍観者」的視点の近未来観が述べられている本である。
 が、歴史としての人類が産んだ「近代」という時代を知り、その次なる時代を考えるには読み
込むべき必読の1冊であろう。

 3)足元としての、「デザインとは?」「デザインする事とは?」を考える。
→これを基準とした日本のデザイナーのレベルと評価。
 「デザインとは?」の根幹は“装飾化”することだけではない。日本では、これが中途半端な
アート指向へ走らせる。この恐ろしさの要因は、教育者たちが「デザイン」と「アート」の世界
の差異をロジックにも熟知していなく、従って、教育出来ない現状結果がある。
 「デザインする事とは?」それぞれの「時代の進化」と「生活者の進化」にチューニングされ
た「モノの進化」を促す行為がデザイン・カテゴリィーの根幹である。この好事例は’30年代の
アメリカから発してドイツ、日本にまで及んだポリテカルな「流線型ムーブメント」がある。
 
 ◯わかりやすい視点で「デザイン度」を考える。
a)パクる。コピーする。
 *いわゆる「猿まね」のレベルの世界。
b)少し、さわる。何かをプラスするか、あるいは引き算をする。
 *装飾化レベルのデザイン。
c)素材を変える。後加工を加える。
 *いわゆる、「グッド・デザイン」
e)モノの「進化」を考える。
 *新しい生活様式のための、新しいモノとしてのデザイン。

 4)「デザイナー」と「ファッション・ディレクター」の違いとは。/
グローヴァル化以後に顕著になった、デザイナーよりもディレクター思考の重要性とは?
→「ファッション・ディレクター」の登場とは?
→或いは、「ファッション・ブローカー」の登場。

 ◯「ファッション・ディレクター」が教養としても知っておかなければならない幾つか。
 *因みに、「モードとファッションの差異」とは?
「『モード』とは自我の衣掌化、『ファッション』とは自我の流行化。」
ともに、『自由主義者たちの自己の存在レベルによる自己アイデンティティのため。』
*では、「時代が変わる」とは?
生活における「豊かさ」が人間の営みに依って変化する事である。
*そして、これからの次世代たちが持ち得る「豊かさ」に対する眼差しとは、
「簡素な生活と虚飾な生活のいずれかを選ぶ“贅沢”が許されていると言う文化。」
*このような時代性では、「ブランドとは?」はその送り手の「文化度と贅沢度」がどの様に
独自にバランス良くシステムが構築されているか?でしかないでしょう。
 これをデレクションする役割が「ファッションディレクター」と言うデザイナーに代わった
この世界での職域です。ここでも「デザイン」と「芸術」の差異が歴然と理解できるでしょう。
 ディレクターが登場した事によって、彼らたちは”只の作り手“より、ビジネスマインドという
視点もより、必然になってきた現実世界です。
 
 ◯そして、これらが冒頭の「モードの世界が変わってしまった」という現実の根幹の一つで
しょう。

 終わりに、/
 以上のような内容項目で再開されたのが、前回の「MODE-YOSE」−1でした。
ご多忙の最中、参加くださった皆様、ありがとうございました。
合掌。
文責/平川武治:

 ◯参加者の皆様に見ていただいた一つの作品/
 CdG/19/20-AW COLLECTION:品番/GDJ504 051+ GDJ504 051/
素材;シリコン・ラバー
‘19年3月02日:Paris F.W.発表。
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投稿者 : editor | 2020年1月 7日 18:27 | comment and transrate this entry (0)

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