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 「soloist/miyashita/」僕の、今シーズン最初で最後の東京コレクション記−1。

僕の、今シーズン最初で最後の東京コレクション記−1。

 soloist/miyashita/
「"産みの苦しみ"を愉しむまでの自由さに委ねられた
静けさ心地よい緊張が溢れ始めるまでの世界。」

 プロローグ/
 上野まで出かけるには、雨を心配しながらどうしようと躊躇し、
結局は、宮下くんの"クリエーション シャワー"を思い切り浴びたく
もう、薄暗くなった上野の森へ向かった。

 森の途中の暗闇で出逢った男性に声を掛けて戴き、会場へ辿り着く。
この彼との出会いも、
不可思議な時間の流れに委ねた心地よさは
コレクションの興奮とともに上野駅まで送ってくださった後に
ジワーと、ほど酔うカクテルのように染み込みはじめた。


 たくさん、いろいろいただいたコレクションに感謝。/
「白い傷口から爛れでる
黒という幻想。

幼い日々、
幻に彷徨った
煌めく愛と夢という記憶たち。
少年だった頃の記憶を辿ろう。

優しさというあぶなさ。
緩やかという速度。
エモーショナルという張り詰めた潔さ。
そして、緊張というノイズ。
悪戯という愛。
現実と追憶。
捻れる時間と自分。

服を見せながら
着る人間に繊細という迷路を与え、
世間を語って、社会を語らず。
 
"産みの苦しみ"を
愉しむまでの自由さに委ねられた
静けさが溢れ始めるまでのコレクション。

これらの"産みの苦しみ"に快感を感じる創造者という当事者。

B.ファルコンあるいは、"ブリキの太鼓"に引っ張られてしまった僕。

こんな素晴らしいコレクションが東京で見せていただける事にも感激。
「ありがとう、宮下くん。」

選ばれた素材。
仕立て上げられたシルエット。
吟味されたバランス。
全てがジグソーパズルの一片、
なくてはならないピースたち。

産み出された赤子のような新たなアイテム、
ハーフショルダーのユニセックスなトップス。
自分の"好み"を持っている創造者しか生み出せない世界。
着たくなる、纏いたくなる煌めく世界。

こんな美意識溢れる美しいコレクションは、
今では巴里のデザイナーたちも産み出さない世界観。
彼らたちの大半はブランドというノイズコレクション、
あるいは、なりすましというの世界観のみ。

堂々と、繊細に、静けさとともに王道を歩み続けてください。
また、パリへ出かけて、白人たちを唸らせてください、宮下くん。

きっと、ラフくんが一番ジェラシーに魘されているだろう。
ありがとう、宮下くん。
ありがとう。


もう一つの側面、
いつもの、いつもの
長〜い、長いランウエイ
使い込まれたフットライト器具。
見事なキャスティング。

これら、ステージ環境を見渡すも
もう美意識高き職人仕事という世界。
ここまでの素晴らしさは
良き仲間たちと楽しむ「産みの苦しみ」という自由の共有。
ありがとう、皆様。」

文責/平川武治。
初稿/2023年03月21日。

投稿者 : editor | 2023年3月23日 13:01 | comment and transrate this entry (0)

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